合理的にあり得ない 上水流涼子の解明:柚月裕子:Let's 妄想キャスティング!
「合理的にあり得ない 上水流涼子の解明」(079/2020年)
こんな柚月も楽しいかも。多作品に比べれば、ライトでちょっとユーモアも入ってる、所謂トラブルシュータ―ものです。10年前だったら、映像化は篠原涼子で確定だったと思います。現在だと、誰だろう。色々あっての佐々木希とか、いかがでしょうか?
確率的にあり得ない、合理的にあり得ない、戦術的にあり得ない、心情的にあり得ない、心理的にあり得ない。5つの「あり得ない」短編集です。元弁護士の主人公が、何でも出来ちゃうスーパー助手と組んで、様々な依頼を法に触れるか触れないかくらいの、ヤバくて冴えたやり方で解決していきます。
設定自体からして、荒唐無稽な展開となるのですが、柚月クオリティなのでベースはちゃんとしてます。「敵」を嵌めていくプロセスとか、しっかりしてます。オチもしっかりしてるし、爽快感もバッチリ。本当に、何でも書ける作家さんですね。
お気に入りは「心理的にあり得ない」。シンプルな構造のミステリですが、野球賭博の世界を知ることが出来ました。ハンデ師という職業、かなり凄いです。知らない世界を知る読書の醍醐味、堪能です。
ミステリ・エンタテインメントを気軽に、そして確実に楽しめます。ドラマ化、映画化、確定案件だと思いますので、是非、読みながら妄想キャスティングをして楽しみましょう!