汚名:マイクル・コナリー:サービス過剰、面白すぎるぞ!
「汚名」(104,105/2020年)
兄弟パワー、炸裂。潜入捜査、爆裂寸前。今回は本当にエンタテインメントしてます。この一作にこれだけの要素を惜しげもなくブチ込むコナリーって、物凄い作家ですね。
ボッシュが捜査したの過去の事件での死刑囚が「冤罪」との申立て。DNAという鉄板証拠付。なぜだ?これは何かの陰謀に違いない。異母弟のハラ―との共闘にうってでる。
同時に起こった薬局での親子銃殺事件。ただの強盗殺人に見せかけた、裏を感じさせる犯罪。どうも背後には「薬物ビジネス」が絡んでいるようだ。
そんな大きな2つの流れの中を、ボッシュは動き回る。でも、もう一つ大きな流れがある。それは娘のと時間、関係性だ。仕事と娘、どっちを選ぶ、なんて甘いことを言うボッシュではない。彼はどっちも選ぶのだ、それも全身全霊をかけて。
そんなドラマまで描かれる本作、本当に贅沢だ。薬物組織に命をかけて潜入していくシーンの緊張感はたまらない。この潜入捜査のエピソードだけで、一作品いけるでしょ。
そして弟が剛腕を振るう法廷シーンも見ものです。シンプルにスカっとします、犯人はチョイ可哀そうですが(笑)。ま、最大のヤマは法廷にたどり着くまえに隠されているのですが、それは読んでのお楽しみ。
本作だけ読んでも楽しいかもしれませんが、やはり、ボッシュ・シリーズ、最初から読んで欲しいです。でも、1992年からスタートして(翻訳はもう少し後かと)本作入れて20作品はヘビーですね。いや、待て、弟、ハラ―のリンカーン弁護士シリーズも読んだ方が楽しめる。そっちは5作品かな。
ということで、コナリーを追っていけば、ずーっと楽しめますよ!