QED 六歌仙の暗号:高田崇史:七福神って確かに謎だ

「QED 六歌仙の暗号」(65/2022)

百人一首の次は六歌仙ということで、和歌続きだな~と思いつつ読み始めたところ、なぜか七福神の謎解きから物語は始まりました、もちろん殺人事件と並行してです。

平安時代の権力争い、政治的闘いが背景にあります。藤原氏がメインストリームであるこの時代に、藤原氏に負けて、散っていった人たちも多数いたのです、当然ですね。パワーゲームはどんな時代にも存在します。
問題は、勝者がその敗者たちの存在をどう捉えるか、どう対応していくのかですよね。第一次世界大戦では敗者に厳しくし過ぎたたためにナチスを生み出してしまったという歴史もあるように、勝利をしたら終わりではないのです。

平安時代は、どう対処したのか。実はそれが本作品の肝に思えます。その対策が六歌仙の謎につながっていく思考サーカスは超楽しいです。
そして、平安時代から続く「秘密」の掟みたいなもの、都市伝説ならぬ「今日の都伝説」は何百年も継続している、う~、たまりません。

正直、連続殺人事件の真相は二の次…?それがQEDシリーズの本懐なのではないでしょうか?


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