巡査長真行寺弘道 ブルーロータス:榎本憲男:巧み過ぎる!フロストを思い出すし(ネタバレあり)

「巡査長真行寺弘道 ブルーロータス」(9/2021年)

このシリーズ、どう展開していくか全く読めないので、前知識限りなく無しで読むことをオススメします。そっちの方が衝撃大きくて楽しい読書になると思います。なので以降はネタバレということでお願いします。


















まさか、インドとは。カースト制度に関する知見がかなり増えました。インドって、想像以上に「凄い」場所なんですね。レイプが多いとかいう情報をたまに目にしますが、こういう事なんですね。ここを理解しないとインドのことって理解出来ないですね。

そして、バンドとは!真行寺はバンドやってたんだ…笑える。ただの音楽マニア、オーディオマニアでは無かったんだ。敢えてバンドネタをぶつけてきたので、この先、どうなるのか楽しみ。

で、インド人が殺されました、inJAPAN。そことバンドのトラブルがリンクしちゃうところはご都合主義なんだけど、本シリーズはそれで良し!グイグイと物語が進んでいくのが魅力です。その殺しに宗教が大きく関わっているらしいと読んだ真行寺、爆走します。

そしてその先に出てきた超大規模な「自動運転システム開発」in北海道。普通、これだけの大ネタが出てくると、焦点がぼやけて薄めの内容になりがちになるのに、どんどん濃くなっていく。そして、それらの要素がガッチリかみ合っていく。

そして最高に素晴らしいのが、殺人のきっかけというか、なぜ犯人は「そこ」にいないのかという理由です。そこだけ、大ネタから独立した、人間の本質的なところに落とし所をもってくる巧みさに唸りました。

ふと思ったのですが、真行寺って、あのフロストに似てる気がします。彼が動くところに事件がやってくる。それをご都合主義とは言いません。そういう人なのです。

さあ、続き、読むぞ!


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