監禁面接:ピエール・ルメートル:哀しみは必然的

「監禁面接」(19/2021年)

あの、ピエール・ルメートルですから、相当の気合を入れて読み始めると思います。安心してください、想像以上の展開があなたを待っていますから。まさかこう来るとは…これもアリだよね。

でもでもですよ、これで終わりではないですから。もう1回、ちゃんとひっくり返してくれます。この展開は、サスペンス上級読者ならば察することが出来るかもしれません。

がですよ、問題はその先なんですよ、ピエール・ルメートルの本領は。彼の作品の肝は哀しみだと思うんですよね。本作も最後に哀しみが待っています。どんな哀しみが待っているのか、もちろん書きません。究極的な絶望ではないのです。でも、かなり深い哀しみです。

この哀しみの為に、数々の犯罪行為が描かれているのです。衝撃的などんでん返しも、結局は哀しみのスパイスでしかありません。

哀しみは必然的なんです。凄い作品です。

ネタバレしないように書いたので、全く意味不明かもしれません、すみませんでした。簡単に説明すれば、首を切られて求職中の50代の男の精一杯の努力と彼を取り巻く家族の当たり前の物語です。オススメです。


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