QED 鬼の城伝説:高田崇史:今まで知らなかった岡山、行きたい。
「QED 鬼の城伝説」(93/2022年)
今回は完全に「観光小説」といって良いのではないでしょうか。否定的な意味で言っているのではありません、これ読んだら行きたくなりますよ、岡山に。
岡山のイメージって、大変申し訳ありませんが、関東地方生まれ、育ちの私にとっては、神戸(兵庫)と広島の間にある県で、倉敷ってあったような気がするくらいのものでしかなく。しかし、実はアジア、大陸文化がクロスした非常に重要な地だったとは。さらに「鬼ノ城」の凄いこと、なんですかあの城は、全く知りませんでした。日本を超越してしまっているし、ミステリ全快。
で、今回の事件は連続殺人事件でしたが、まあ事件はいいでしょ、今回は。このシリーズのテーマである「鬼」という存在が、「桃太郎」という昔話を通して最も分かりやすく説明された回だと思います。何も悪いことをしていない鬼たちを突如襲って、彼らの財産を奪って帰ってくるというチーム桃太郎、考えれば酷い話です。要は金持ちの鬼たちから金品を奪うために出陣した強盗殺人案件ですから。
武力、軍事力がいかに重要なものなのか。そして、その暴力的な力を越える力とは何なのか、考えさせられます。
それにしても、岡山、行ってみたくなりました。新幹線でピューっと行けるんだからね。
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