幸福な食卓:瀬尾まいこ:幸福とは何かにシビアに切り込んでいるので、正直、痛いです(ちょっとネタバレ)

「幸福な食卓」(61/2022年)

ちょっと変わった四人家族の物語。

やさしいテンションで、粛々と、ほのぼのと進むのですが、徐々にこの幸福な風景のバックグラウンドが明らかになっていきます。
そこには、幸福は見当たりません。

そして、最後に事件が襲います。

で、結局はそれを乗り越えることによって、個人ではなく、家族というチームで乗り越えることによって、チーム全員がちょっとだけ、幸福に近づくという、そこだけ書くと「ありきたり」な物語なのですが、なんだろう、この感情は読まないと分からないです。
倍速で見て伝わるドラマ、映画もあるでしょう。
速読で、もしくはあらすじだけ読んでも感じる小説もあるでしょう。
否定はしませんし、上から目線で書いてしまいますが、それで十分な作品も存在すると思います。

でも、本作品は読んでほしいです。
事件にぶち当たった時にショック、読んでる方も痛いです。
痛いのが嫌な方は、読まないでよいです。
でも、この痛みは、感じて欲しいです。

いや、痛かった。

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