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殺人都市川崎:浦賀和宏:これを否定するならば読まなければ良いだけの話
「殺人都市川崎」(071/2020年)
遺作です。ご冥福をお祈りします。41歳、無念。実はあまり読んでいませんでした。本当に代表作だけでした。「記憶の果て」「彼女は存在しない」くらいです。今更ですが、読みます。
本作品、タイトルからして飛ばしてますよね。で、それ以上に結末が飛んでます。全く予想していない結末でした。
これ、「無しでしょ」「卑怯」って言う人の気持ち、よく分かります。僕も最初はそんな感じでした。何でしょうか、「夢オチ」に限りなく近いと言っても過言ではないかもしれません。
でも、よく考えると、「殺人都市川崎」というタイトルが物語っているんですね。このちょっと不思議な単語が。
川崎在住の人ならば誰でも知っている伝説の殺人鬼が帰ってきた。そして主人公の少年は、あっという間に殺人の渦に飲みこまれていく。もう一つ、いつの間にか連続殺人事件の真相を解き明かそうとしている少女と少年の話も並行して展開する。
その先に待つ結末は?これを否定するならば、本作品を読まなければ良いだけの話ですが、読まなければ否定か肯定か分からないでしょ。ということは、まあ読むべきでしょ。