素晴らしき世界:マイクル・コナリー:ボッシュとバラード、始まったね
「素晴らしき世界」(148,149/2020年)
上司のセクハラを訴えたせいで、閑職「レイト・ショー」(深夜帯のみ担当する係で、直接の捜査には関われない)に飛ばされたバラードが、奴に出会ってしまった。
まあ、ボッシュとバラード、馬が合わないわけがない。二人とも基本的には暴走機関車なのです。夜に起きる様々なタイプの事件に、臨機応変に対応しつつ、「勝手に」捜査して事件を解決していくバラードが、深夜の警察署でボッシュを見つける。その場をはぐらかして帰っていったボッシュの本当の狙いをあっという間に解明したところことで信用を得たバラード。もう完璧すぎるスタート。
でも、このシリーズ、全てがうまくいくわけではありません。まさか、彼女が死ぬなんて…今まで積み上げてきたものがいとも簡単に崩れ去る現実を突きつけてきます。これはあまりにも悲しすぎる出来事でした。何がいけなかったのか?人は一度絶望すると立ち直れないのか?それとも、この結末が彼女にとってベターなものだったのだろうか?
9年前の殺人事件を追う二人。それぞれの命を救い合い、信頼を深め、これからのパートナーシップを誓う。本作は始まりに過ぎない。正式な警察官という立場から離れて、多分これから、もっと「自由」(=危険)な捜査活動をするだろうボッシュと。夜の女王として君臨することを選ぶのか、それとも昼の世界に復活するのか、今後の方針が気になるバラード。
次、早く、読みたい、以上。