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猛禽の宴:楡修平:ダークヒーローの不思議

「猛禽の宴」(37/2022年)

こっちはニューヨークのマフィアの物語です。イタリアマフィアを核に、中国系、ラテン系を交えた抗争に巻き込まれた朝倉、さあ、どうする。

もちろん、全てクリアにしていきます、スマートに。ただの麻薬の売人なんだけど、好感が持てます、まんまと騙されています。ダークヒーローって不思議ですよね。なんでしょ、やっぱりルッキズムなんでしょうか、ハンサムだと許してしまうのって、本当はダメなことなんですよね、今の時代。

構造的には、主人公よりももっと酷い悪人を配置して、相対的に、同じ悪でも許せる雰囲気を出していくわけですが、その際に、ルックスがものをいう訳じゃないですか、やっぱり。強さも必要だけど、それ以上にルックスの要素が重要。

基本的にダークヒーローは犯罪者、違法な存在なわけで、そもそも彼らをヒーローにすること自体に歪みがあるんだけど、なぜかそれが許される。ルパン三世なんか良い例ですよね。アンチ権力というところがポイントなのか、通常では出来ない犯罪行為を代わりにやってくれるところに惹かれるのか、その辺を考察した書籍があるならば、ちょっと読みたいかもしれません。


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