七つの試練 池袋ウエストゲートパーク14:石田衣良:相変わらずサイコー

「七つの試練 池袋ウエストゲートパーク14」(112/2020年)

一緒に齢を重ねている数少ないシリーズ。もう14か、長いね。ブクロも変わったね。IWGP自体があんなに風に変わるなんて思いもしなかった。

で、ここまで長い付き合いになると、冷静な判断は出来なくなるね。マコトとキングが出てくるだけで嬉しくなる。話の中身ではなく、この二人がしっかり生きていることを確認して安心している感じ。だから、このシリーズは最初から読まないとダメだと思う。途中、単体で読めば、街のトラブルシューターの事件解決短編集だろう。でも、そこには「14」という長い年月があることを忘れないでほしい。この積み重ねが池袋を支えているのだ。

今回は4つの物語。テーマはいつも通りリアルに連動してる。文庫だと単行本から2年ぐらい経ってしまうから、チョイ古めに感じるけど、まあ、そんなにはズレていない。石田がどんなテーマを取り上げるかも楽しみの一つである。

芸能人スキャンダル、出会いカフェ、家族内軟禁、そして「いいね」系。どれもそこにある話である。今回はスキャンダルの話が面白かったかも。ダメージに更なるダメージをぶつけてサヴァイブする姿はまさにIWGPの魂です。こんなに勇気がある人が現存するかは疑わしいですが、やっぱ、カッコいいな、この生き様。

で、まさかのアニメ化。正直「今更」だと思ったが、それは爺の先入観だろう。今からIWGPを知ることが出来るなんて、ある意味、幸せだな。いいな、これからIWGPにどっぷり浸れるのだから、14冊も大量に。池袋のストリートに身を委ねる至福の時、サイコーだね。

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