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サブスクリプションを伸ばす3つの戦略とアカウントエグゼクティブという考え方
久々にサブスクリプションの話しようと思います。
今回はBtoB SaaSについてです。
特に、以下ようなの方に、参考になるような内容にしております!
・営業
・カスタマーサクセス
・インサイドセールス
・マーケ
・その他SaaSに関わる方
なぜ僕がサブスクリプションを語るのか
なぜ僕がサブスクリプションについて語るのかというと、
先月末までZuoraという会社でエンタープライズセールス兼SaaSエバンジェリストとして働いていたからです。
Zuoraは、間違いなく世界で1番、サブスクリプションのノウハウを持った会社です。
Zuoraは2007年、それこそサブスクリプションの「サ」の字も出てこないような時代から一貫してサブスクリプションの収益向上支援をしている会社で、
世界で1000社以上の支援実績がある会社です。
参考:2007年からの「サブスクリプション」のGoogleトレンド
→近年急速に話題になっていることが分かります。
そして、昨年末に発売され、ベストセラーとなった「サブスクリプション」という本をCEOであるTien Tzuoが書いており、
彼はサブスクリプションビジネスのパイオニアだとか、ソートリーダーなんて言われています。
他にも、Salesforceが出している
「SaaSスタートアップ創業者向けガイド」を書いていたりします。
この資料は無料で出しちゃっていいの?レベルなのでぜひ読んでみてください。
そして、先月Tienが来日し、打ち上げで行った新橋の居酒屋で、
ポケトークを駆使して起業のアドバイスをもらっていた図太いヤツが僕というわけですw
それでは本編を説明していきます。
サブスクリプションビジネスで成功するには?
はじめに、サブスクリプション=月額課金のことでしょ?
と思った方、違いますよー。
サブスクサブスクリプションと月額課金の違いについては以下マガジンで解説をしているので読んでくださいね。
まず、キレイゴトを抜きにして、
サブスクリプションビジネスにおける成功のための戦略としては以下の3つに集約されます。
①新規顧客の獲得
②既存顧客からのアップセル/クロスセル
③解約の防止
サブスクリプションは成長を前提としたビジネスモデルで、
ARR(x+1)=ARR(x)-Churn+ACV
という方程式であらわすことができます。
中学時代の僕だったら2秒で覚えるのを諦めてしまいそうですが、
この記事を読んでるみなさんなら、三平方の定理よりもこっちのほうが遥かに使えるので、ぜひ覚えてくださいww
この方程式だけでは分かりにくいので図であらわすと
以下の通りになります。
そしてこの図をベースに、
先程のサブスクサブスクリプションビジネスにおける成功の戦略
①新規顧客の獲得
②既存顧客からのアップセル/クロスセル
③解約の防止
を当てはめるとどうなるかを更に可視化しています。
こんな感じになりますね!
(ざっくりです。厳密には少し違いますが・・・)
つまり、新規獲得、既存からのアップ/クロスセル、解約の防止、
この3つの戦略によって、成長を前提としたビジネスモデルを支えるのです。
その前提で、サブスクリプションビジネスにおける注意点をお伝えします。
新規でゴリゴリ売りすぎる営業は悪
サブスクリプションビジネスにおいて、
新規獲得の段階でゴリゴリてんこ盛りで売る営業スタイルは、
僕は悪だと考えています。
これは、プロダクト販売の悪習を受け継いでいるだけです。。。
理由は2つ。
①価値を感じている顧客は、いつか追加購入をする
②解約されてしまっては意味がない。
そっくりそのまま3つの戦略の2つに反するからです。
例えば、以下のパターンであればどちらが健全でしょうか?
誰がどう見てもパターンBが健全です。
さらに、パターンAにはさらなる副作用があります。
「こんなサービス、二度と使うか!」と感じた人が、マイナスの情報発信をする。
まったくもって健全ではないです。
既存顧客を大切にしない営業は悪
売ったら放置の営業はまた悪です。既存の顧客への定着化、活用支援をするのもまたサブスクリプションにおける営業の仕事です。
よくあるダメなパターンは売ったらおしまい、あとはカスタマーサクセスよろしくな営業です。
違います。
既存顧客を大切にしないということは、
・既存顧客からのアップセル/クロスセル
・解約の防止
この2つの戦略を放棄しているのと同じ。
新規獲得しかしない営業は、サブスクリプションにおいて1/3しか働いていないと同じです。
解約の防止に参加しない営業は悪
新規でゴリゴリ売らず、適正な分だけ。
その後のフォローをしっかりしていれば、解約は基本的に防ぐことができます。
しかし、売ったら顧客がどう使っているか知らんぷりをし、いざ解約の危機的状況になったら、
「それは営業じゃなくてサポートやカスタマーサクセスの仕事でしょ。」
って割り切る営業。
これは犯罪級ですねw
カスタマーサクセスの人も泣いてしまいます。。。
分業制への批判
サブスクリプション型のビジネスモデルにおいては、
ただ新規顧客を取るだけではなく、
既存顧客からのアップセル/クロスセルを行い、
更には解約の防止まで実施をしなくてはいけないです。
そのため、従来のプロダクト販売のモデルと比較して、営業が実行する作業の範囲が広いと言えます。
そのため、最も効率的に実行できる方法は無いか・・・
ということで、分業制が編み出されたわけです。
新規開拓はインサイドセールスが。
顧客のアップセルクロスセルはカスタマーサクセスが。
解約の防止もカスタマーサクセスが。
ただ、どうでしょう。
営業は売ったら最後、その他の作業を放棄して良いわけでもないし、
初期のアポイント獲得をマーケやインサイドセールスにパスしてもいいという解釈は違うとおもいます。
あるべき理想の姿を図にしてみたんですが、こんな感じではないでしょうか?
(僕の絵心の無さはご容赦ください。。。)
ただ、ここで着目いただきたいポイントは、どんな時も1番責任範囲が大きいのが営業ということ。
アカウントエグゼクティブという考え方
僕がSalesforceやZuoraで営業をしていたときの役職は、
「アカウントエグゼクティブ」でした。英語にするとAccount Executive
上級管理職でもないのにエグゼクティブと表現していて、なんだかこっ恥ずかしいなぁ。分かりにくいし。とずっと思っていました。
ただ、最近考え方を改めたので皆様にシェアしたいです。
先日、Salesforce時代のチーム石井のメンバーだった通称「ナメたろう」という後輩とご飯を食べていたときのこと。
彼は元々Salesforceに新卒で入社し、カスタマーサクセスチームを経由し営業部隊に入るという異色の経歴でとても優秀なのですが、いい意味で生意気なヤツです。
そんな彼と、営業とアカウントエグゼクティブって何が違うの??
って話をした際に、
「アカウントエグゼクティブって言うことは、
顧客(アカウント)に対しての全責任を負うからエグゼクティブなんですよ。だからただの営業とアカウントエグゼクティブは違うんですよ。」
と教えてもらいました。
相変わらず生意気なのは間違いないのですが、この説明は芯を食っているなぁ。と実感。
つまり、どんな時にも顧客との折衝の中心にたち、矢面に立つのが営業、いや、アカウントエグゼクティブの仕事なのです。
なので、既存顧客を放置したり、解約の防止に参加しない営業は、所詮営業でアカウントエグゼクティブではないのです。
そのうち書きます:僕が唱える9割の営業不要論
僕はSaaS業界において9割の営業は不要になると考えていますが、
このアカウントエグゼクティブという業務を遂行できるレベルであれば、
9割には入らないと考えています。
また、これからの主役はSaaSアドミンと、プロダクトマーケになるとも思っています。
気が向いたときにまた書いていこうとおもいます。
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