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「エクボのある男前」の正体とは:「○万円で作れますか?」#3
8月に入ってもコンスタントに売れ続け、作っても作っても納期がなかなか縮まらない人気家具工房「K組のひと」です(笑)、こんにちは。
とあるお客様のお問い合わせからの勢いで始まったこの「○万円で作れますか?」シリーズもようやく今回が最終回。
まずは今までのおさらい。
上記#1記事のダイジェストがこちら。
多くのお客様は家具の値段を知らないけど、じゃ家具の価格を決める要素って何かというと、、、
1.供給量
2.手間/工法
3.素材
4.ブランド/ストーリー
で、これ受給のアンマッチがありそうなんで「青い海」を探しにひとつひとつ見ていこう。
上記#2記事のダイジェストがこちら。
私たちは熟練工とは違うベクトルで勝負する。
その答えは「エクボのある男前」(謎)
多くのお客様は素材の善し悪しなんて気にしていない。
私たちが選ぶのは「世界観を作りやすい素材」(謎)
というわけで謎ポイントふたつをご紹介しただけ(笑)な前回からの続きです。(枕長すぎ)
K組のブランディングを考える
まず、ブランディングに関してはこのシリーズ第一回で概要を挙げました。
4. ブランド/ストーリー
コルビュジェのような有名な建築家の作品や北欧照明のようなデザイナーズブランド。そして例えばアルフレックスのような主にヨーロッパ発のブランド。
時計のローレックスや革製品のエルメスのように家具ブランドにも歴史やストーリーがありそれが評価されています。
そこまで高級なものでなくともデザインやコンセプトに物語を持つことはブランディング効果として価格に反映されるでしょう。
つまり、デザインやコンセプトに物語を持つ。
これに前回までにやった「供給量」、「手間/工法」、「素材」の用件を加味します。
◆供給量:手作り品らしく/既製品とは違う/他には無いもの
◆手間/工法:熟練工が作る工芸品とは別のアプローチ/「エクボのある男前」
◆素材:高級材ではなくコスパの良い素材/世界観を作れるもの
これらの要素を上手く組み合わせていけば自分たち独自のブランドになるんじゃないか。
というわけで、、、
まず「エクボ」って何よ
ここまでかなり引っ張って来ましたが、ようやくその正体を説明します。
まず「エクボ」というのは相手をちょっと幸せな気持ちにさせるチャームポイント。男の子が一目惚れするポイントだったりしますよね。
じゃ家具で「エクボ」って具体的にどうつけるのか?
企画中のテレワーク用PCデスクを例に詳説します。
時と場所に応じて変態する
この作品にはいくつもの「エクボ」な仕掛けを施しています。
そのひとつが「変態」。
芋虫が蝶になるように/合体ロボのように、変態します。
この作品ではデスク天板の一部を折りたたみに/キャスター付きにすることで可動棚/PCデスクの両方が成立、また配送料の軽減も達成しています。
引っ越しのたびに模様替えのたびに生活環境に多少の変化があるくらいで買い換えられてしまう家具は合理的ではありません。
1万円のデスクを3回買い換えるくらいなら「3万円するけどこれ買って」と言いたい!ワケです。
実はK組のテレビボードがハンドメイドポータルにおいてランキング上位に貼り付き続けているのはこの「変態」機能のおかげだったりします。
このように状況に応じて「変態」する機能性はK組が多用する「エクボ」のひとつです。
「映え」を意識したフォトジェニックなデザイン
このPCデスク、設計当初は使い勝手のサイズ感を意識してコンパクトでシンプルな箱型からスタート。
そのうち天板を折りたたみにしたところ、金具の関係で天板が浮いたように見えてしまう。そのみっともなさを解消したい。
そこで逆にスプリットなイメージをデザインテーマに設定しました。
それによりモニター台が左右にスライドする機構も生まれました。
で、せっかくのここまでのアレコレを際立たせたい。
というわけでフォルムの唯一無二感をアピールするためにツートンに。
実際には好き嫌いあるとは思いますが、、、上の画像では手前のほうが明らかに「映え」ます。
これが「映え」を意識した「エクボ」です。
こんな感じで毎回ときには必然的にときには偶然に生まれる「エクボ」を付けているんです。
「男前」というエクスキューズ
家具やインテリアの世界では「男前」と言えばブルックリンスタイルをはじめとする無骨&ヴィンテージなテイストのことです。
で、K組でもまぁそのままなのですが、、、
なぜ男前テイストをチョイスするのか?がポイントです。
これまでにも話した通り私たちにとってはマーケティング的な理由で従来の高級新品家具とかぶらないことが重要です。
そして無骨&ヴィンテージはその対極であるというのがひとつのポイント。
もうひとつ、もっと重要なポイントがあります。
*ここから数行伏せさせていただきました。
詳しい内容は以下のサークルか、そのうち出る本編(DIYで副業の教科書)にて。
「世界観のある素材」についてはそのうちに
これについてはいずれそのうち解説しますが、今回ここまで書いてきたことだけで充分にブランディングは可能です。
そしてどういった「物語」で作品に味付けをしていくのかも以下のマガジンでそのうち詳説していきます。
自分たちの置かれている状況やお客様の反応/ニーズなどを因数分解し合理的な解を求めていく。
かれこれ2年ほど続けてみてかなりシステマティックに新しいモノが次々生まれる仕組みができてきました。
引き続きこれからはより具体的な事例を元に解説していきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ぜひフォローいただければ幸いです!