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409 児童労働の現実


はじめに

今日、6月12日は「児童労働反対世界デー」という記念日にです。この記念日は2002年に世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連の専門機関である国際労働機関が制定したものです。英語では、「World Day Against Child Labour」と呼ばれています。

世界の現状

世界で、児童労働により過酷な状況を過ごしている子どもたちの数は、日本の総人口をはるかに超えます。
約2億人の子どもたちが今も日々、劣悪な労働環境で働いているとされています。本来、子どもたちはよく遊び、よく学び、よく食べ、よく寝る、そうした大切で基本的な営みの中で自分の体や心を大きく強くしていきます。
しかし、児童労働は、子どもたちの未来を奪いかねない重大な問題なのです。

子どもの権利

児童労働は、学ぶ権利を阻害し、子どもたちの自由を束縛します。これは、深刻な「子どもの権利」の侵害なのです。朝から晩まで、水汲みや日干し煉瓦づくりに駆り出され、炎天下の中過酷な状況で労働している子どもたちや性的な搾取により傷ついている子どもたちなど、この問題は経済的な貧困や発展途上国の置かれている深刻な政治問題とも深く結びついています。
SDGs(持続可能な開発目標)の目標8の中でも、2025年までにあらゆる形の児童労働をなくす、という目標が掲げられていますが、この目標はまさに絵に描いた餅といったところで、今後も児童労働を減らすための一層の努力が求められています。

ヤングケアラー

子ども家庭庁の特設サイトには、次のような動画があります。短い動画ですから一度見てみてください。
日本で現在広がっているヤングケアラーの問題につて、その支援の強化に係る法律が成立・施行されたことを伝えています。
「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」において、子ども・若者育成支援推進法が改正され、国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象にヤングケアラーが明記されました。

2021年の厚生労働省と文部科学省による調査によれば、中学2年生の約17人に1人にあたる約6%がヤングケアラーであることが明らかになりました。
また、ヤングケアラーであるとみなされる生徒自身に自覚がないという傾向があることもわかりました。学校の行事や部活動、授業を休んででも家族のために働き支えるそんな姿が、最近ドラマ化されたりとこの問題への注目を集めています。
ヤングケアラーがどのようなものかは、子ども家庭庁の資料を見てみるとよくわかります。

出典:子ども家庭庁

法律上の定義はありませんが、「本来は大人がやるべき家事や家族の世話を日常的に行っている18歳未満の子ども」のことを指します。
こうした行いは、「家の手伝いをよくしている」「しっかりしている」とみられがちですが、子どもたち自身も自覚はなくともヤングケアラーにあたります。
知らず知らずのうちに学校と家庭の仕事との両立が難しくなり、行き詰まってしまうなんてことも少なくありません。周りで見ている大人や周囲の友人が、こうした生活の様子や本人の励んでいる姿をどのようにとらえ、行政に結び付けていくかが重要なのですが、大変に難しい問題です。

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