見出し画像

84 X ~青い鳥からXへ~

はじめに

イーロン・マスク氏が昨日「まもなくTwitterブランドに別れを告げ、全ての鳥たちとも別れることになるだろう」とツイートしました。
ツイッター社を買収して以来、いくつかの変更を加えながら、様々な話題を世界中に提供し続けているイーロン・マスク氏ですが、今回は長らく多くの方に愛されてきたツイッターのイメージカラーである青と白、キャラクターである鳥を「X」に変更するというメッセージが出されました。

Xとは

イーロン・マスク氏は「X」という言葉に可能性や未来への光といったものを込められているのかもしれません。
オンライン金融サービスと電子メール支払いサービスを行う会社「Xドットコム」の立ち上げを筆頭に、PayPal、スペースX、テスラ、ボーリング・カンパニー、OpenAI、xAI等を共同設立など世界一の資産家は様々な事業を積極的に展開しています。そのいくつかに、「X」という文字が見られます。
やはり、「X」という文字にこだわりがあるということがわかります。

歴史的なX

「X」と言えば、やはり数学の学習でよく目にします。この場合の「X」は未知数を意味しています。
未知数を「X」と表してきた過去には何百年という歴史があります。では、この方程式などで用いる未知数「X」を最初に用いた人物とはだれでしょうか。起源は、どうやら中世イスラム黄金時代の中東にあるという説と古代ギリシアにあるという説があるようです。明確な記録などは存在しないため、証拠として「X」が記された資料が残っている人となるとかの有名な「デカルト」という人が最初ではないかという考え方もあるそうです。

デカルトとは

ルネ・デカルトは17世紀のフランスの哲学者です。「我思うゆえに我あり」という言葉で有名です。この言葉の意味は、「世の中のすべてのものの存在を疑ったとしても、それを疑っている自分自身の存在だけは疑うことができない。」というものですが、当然のようですが真理を追究した大変重要な考え方です。
また、デカルトは、「方法序説」、「哲学原理」、「省察」などの著作を残していて、懐疑論や神の存在証明といった哲学を行った人でもあり、近代哲学の祖とも呼ばれています。
デカルトは、哲学者でもありますが数学者でもありました。デカルトが革命的な影響を数学に与えたものの一つに「座標」という考え方があります。座標を「X」を用いて表したり、求めたりする際にこの文字を用いたわけです。しかし、デカルトが「X」にどれほどのこだわりがあったかは定かではありません。その証拠にこのような逸話があるほどです。
印刷する際に「X」は一番使用頻度が少ないので印刷所にも沢山植字が余っていたとのことです。そこで「X」を未知数に使ってみてはどうかと印刷技術者がデカルトに進言したというものです。
つまり、あまりこだわりがなかったのかもしれません。
未知数を「X」と表し、方程式を解くことでわからない数値がわかっている数値から導き出されるわけです。未知数「X」の存在により、わからないことを「X」という形で仮に置き換え、わかることとの関係において、その数量全体や数量の関係を可視化できます。
こうした考え方は、学び方にも応用できますし、生活の中でも未知数を周囲との関係の中から見つけ出す際に応用できます。
イーロン・マスク氏が「X」と名付ける新たなソーシャルネットワークサービスが私たちの生活にどのような変化を与えるかは、まさに「未知数」といったところでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?