366 静岡県知事選
はじめに
先日の、衆院補欠選挙で島根1区で敗れた自民党ですが、候補者擁立を見送った東京15区、長崎3区と合わせて全敗しました。なぜ全敗という表現をしているかというと政権を担う責任政党として、現在進めている政策や政府の方針について是非を問い続ける必要があるのが国政選挙です。
つまり、国民に責任政党として候補者を示せない時点で敗北かそれ以上の怠惰なのです。また、この3つの選挙区はもともと政権与党が抑えていた地域なわけですので、それを死守することができなかったことは全敗と言われても仕方ないのです。
そして今注目を集めているのが、5月26日の投開票となっている静岡県知事選挙です。今日の教育コラムでは、地方自治体の首長選挙について少しお話してみたいと思います。
県民の声を置き去りにしない
今回の静岡県知事選挙は、職業差別発言、リニア妨害、問題発言の数々で辞職に追いやられた川勝知事の辞職にともなう選挙です。
そもそも、静岡の選挙区はこれまでにないほど、政治家の問題が同時に生じています。この影響が今回の首長選挙にも影響があると予想されています。
なかでも大きな影響が予想されているのが、自民党の裏金キックバック事件で最も重い処分を受けた東海ブロック比例の塩谷衆議員の問題です。
また、議員辞職にまで発展した女性問題で最近辞職した静岡3区出身の宮沢前衆院議員の問題も記憶にまだ新しいので少なからず影響があるでしょう。
争点は?
5月9日告示の知事選への立候補を表明しているのは、現在3名で元副知事の大村氏、前浜松市長の鈴木氏、共産党県委員長の森大氏が主だった候補ということです。
自民党静岡県連は4月22日に静岡市内で総務会を開き、元副知事の大村氏を推薦することを全会一致で決めました。推薦理由は「国や近隣県と連携・協調しながら県政のトップとして運営していく意気込みが強く感じられた」と決定の理由を述べています。
この話を聞く限りでは、リニア問題を解決し完成に向けて推進力となっていく立場をとるということを意味している言葉ではないかと感じました。
候補者がリニアに賛成の立場だけになってしまうと県民の声を問うている選挙になりにくい可能性もあります。
同様に争点が政治不信を払拭するだの政治資金の透明化だのといった政治家のための政治家による改革の是非を問うているようでは県民生活の向上につながるとは思えません。
少なくとも、今回の衆議員の補選のような選択肢の十分にそろわない選挙になれば投票率は下がりますし、関心の集まらない他人事の選挙になってしまうでしょう。
県知事選挙とは
社会の授業などで、国政選挙などの大まかな知識を学ぶかと思います。例えば、自治体の首長選挙は知事は、4年に1度行われ、知事選挙に立候補できるのは、満30歳以上などといったことは知っている人も多いと思います。
4年間を目安に達成できる政策を公約として県政を推し進めていくわけです。そして、そこまでの成果を見定めて次の4年間継続できるかどうかは、県民による選挙で審判が下ります。
県知事のリーダーシップで大きく県民の生活が変わることは、国政よりも顕著に現れます。橋本府知事、東国原知事などなど著名人だけではなく、小さな国のリーダーのような権限を持っている知事の政治はかなり県民に寄り添ったものになりえるのです。
それだけに県知事選挙に対する注目は高くなければならないのです。
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