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福祉も教育も学んでいない私が、困窮家庭や子ども支援のインターンで見つけたこと
誰かの人生を支えたい。
活動を通して、さまざまな世代の人と関わりたい。
そんな漠然とした思いが、子どもへの学習支援や困窮家庭への食料支援を行う拠点・プラットのインターンシップに応募したきっかけでした。
最初は、支援の専門性がない大学生の自分に何ができるだろうかと不安交じりの気持ちでした。しかし、1年間のインターンシップが終わる今、「大人でも専門家でもない大学生の自分だからできることがあった」と感じています。
このnoteでは、プラットのインターンを今春で卒業する私・大村が、プラットという場所でしてき経験と、その中で見つけた自分の役割について振り返りたいと思います。
勉強しなくてもいい学習教室づくり
無料学習教室には、学校の授業についていけない・学習への苦手意識が強いなど、様々な背景から学習に難しさを感じる子どもたちが通っています。高校進学までゆるやかにつながっていくことを目的に、学習や進路相談の他に食事の提供(現在は感染拡大防止のためお弁当配布)もしています。
プラットは通常の学習塾とは違い学習を強制することはありません。子どもたちが安心して過ごせる居場所として、「ここに来る子ども全員に自分らしく過ごしてもらうこと」を目標に活動をしています。
初めは「何かしなければ!」という思いや「子どもを傷つけないようにしなきゃ」という考えが先走り、上手く話しかけることができませんでした。しかし、周囲のスタッフを見ると子どもたちと会話を交わす中でニーズを汲み取り、応えていることに気がつきました。
(教室終了後、子どもたちの様子や気づきをミーティングで共有します)
交流することがまず大事だと感じ、子どもが何を求めてここに来ているのか、それに対し今自分ができることは何かを考え動くようになりました。すると、子どもがなにを求めているのか分からない状況から徐々に抜け出していくことができました。
印象深い経験として、学習の意欲を失っていたある中学生との交流の中で、勉強を強いないどころか、学習とは関係のない色々なことをお話するうちに、彼女が少しずつ学習に対する意欲を取り戻し、結果としてテストの点数も上がったということがありました。
はじめは何をするにも「私は無理だから」と言い、学習に手をつけることもほとんどなかったその子。学校でその日あった出来事や家でのことなど、他愛もない会話をスタッフと重ねるうちに、自分自身に対して意識が向くようになったのか、自分に対して否定的なことを言う回数が減り、「もう少し頑張ってみようかな」と勉強に少しずつ気持ちが向くようになっていきました。
見えない相手に届ける支援
もう1つ担当していた仕事の食料支援では、母子家庭をはじめコロナ禍で経済的に困窮している家庭に必要な食料を詰め郵送するということをしていました。
お送りする食料は、アンケートをもとにその方が必要とするもので構成しますが、家族構成やその家庭の事情に合わせ、組み合わせや数量を調整します。
家族の人数が少ないなど、量があまり必要とされないときにはその分少しだけ単価が上がっても質の高いものを選ぶと喜ばれるといったことを、やっていく中で見つけていきました。
相談者の方と直接お会いすることはなくメールでのやり取りが中心だったため、支援が行き届いているのか、本当に送ったものでお役に立っているのかを実感しづらく、もどかしい思いをする時もありました。
ですがあるとき、
「食料のおかげで心に余裕ができました」
「いつか同じ立場で苦しむ人たちに還元できるよう、頑張りたいです」
というメッセージをいただいたことがありました。
こうしたメッセージを見ていると、仮に郵送先の方の姿が見えず、言葉がなくわからなくても、相談者の方を思い、真摯に1つずつの活動に取り組み続ける姿勢こそが大切なのではないかと、身をもって感じました。
“ただの大学生”だったから
私は大学で福祉も教育も専攻していなかったため、最初は、
「専門的な知識がない自分に出来ることはあるのだろうか…」
「子どもが好きという気持ちだけではやっていけないのではないか…」
と不安な気持ちでいっぱいでした。
しかし、実際に子どもたちと関わる中でそれらの不安はなくなっていきました。
勉強に苦手意識がある子に対し、無理に勉強させることはできないし、させたいとも思っていなかったけれど、何かを聞き出そうとする立場の大人ではなく、少しだけ年上の大学生の私だからできたおしゃべりと、ときにちょっと真面目な話がたくさんありました。
学校であった楽しかったこと、嫌だったこと、悩み、親とのケンカ、進路。
そういった子どもたちの話を聞いていると話の流れから、将来はどうなりたい、どうしたいといった話題になったりもします。そこから勉強もちょっとは必要なのかもと子ども自身が思い、自分で取り組み始めるきっかけになることもあります。それで十分、それができればいいなと思いやってきました。
一緒に過ごす子どもたちと、一度も会うことはない食料支援先の家庭のことを考え行動するという経験をした1年でした。それは、教科書の知識からは学べなかった、自分だけの学びに溢れたものでした。
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