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大人に知ってほしい、ひらがな読み書きは「当たり前のスキル」ではないということ

「私、ひらがななんてできるよ。漢字とかもっとむずかしいことがやりたい」

小学1年生で読み書きに苦戦する様子がありひらがな読み書き教室に参加したお子さんが、当初そのように言いました。

ですが、何度かの授業を経たある日、

「ひらがなってさ、むずかしいよね」

と講師に言ったのです。

なぜそのように思うようになったのか尋ねると、「お母さんがそう言っていた」のだそう。

【目次】
・ひらがなが苦手・難しいを前に一番最初にしたいこと
・あまり知られていない、文字を習得する難しさ

ひらがなが苦手・難しいを前に一番最初にしたいこと

このお子さんの言葉に限らず、「ひらがななんて」簡単なのではないかという感覚は、毎日当たり前のようにひらがな、そしてカタカナや漢字といったあらゆる文字を使う多くの大人に少なからずあるのではないでしょうか。

しかし実際には、ひらがなをはじめ子どもが「文字を習得する」までにはたくさんのプロセスを通過しています。そしてそのプロセスの中での1人ひとりの発達段階や、習得を進めていくスピートも、それぞれ異なります。

『ひらがなが苦手』という様子の中には、たとえば見た文字や文章をスラスラ読むことが難しかったり、読み飛ばしが多かったり、ノートを写すのが大変などといったことがあります。ひらがなを読む・書くというこうした作業の中で何に苦手さや難しさを感じているのかやつまずきの原因は、様々な可能性が考えられ、子どもの負担を想像するのは簡単なことではありません。

ひらがなってむずかしいよね、とお子さんが言った背景には、親御さんの「ひらがなは難しいよね」という言葉がありました。

お子さんには、親御さんの寄り添いによって、難しいと思って大丈夫なんだという安心感が生まれ、「ひらがなってさ、むずかしいよね」という言葉に繋がっていたのではないかと思います。

人に何かを「難しい」と言うのは、簡単なことではありません。特にそれが一見簡単そうに見えるものであったり、周りの人が「簡単だよ」と言っているものであるとしたら、より一層言いづらいものになってしまうはずです。

まずは子どもの状況や気持ちを受け止め、寄り添う。それがどれだけ子どもにとっての安心に繋がるのか、このお子さんのお母さまの言葉が表しているように思います。


あまり知られていない、文字を習得する難しさ

「ひらがなの世界って、実は奥深いんですね」

読み書きに苦手さを持つお子さんの保護者の方との個別相談を終えると、そのような感想をいただくことがあります。

子どもたちがどのようなプロセスを経てひらがなを学び、読める・書けるという状態になっていくのか。そうしたことをお話すると、当たり前のように思えるひらがなの読み書きに、なぜお子さんが苦戦していたのか、なぜ読みたくないという気持ちになっていたのか納得がいき、「子どもはすでに頑張っていたのだと気がついた」と伝えてくださる方もいました。

多くの大人にとっては一見簡単そうなひらがなが中々思うように読めなかったり、書けなかったりする子どもの姿に、なぜ?どう教えたらいいの?という疑問が生じることがあるかもしれません。

「ひらがなの世界って奥深い」と感じられた方がいるように、『文字が読めるようになる』ことの背景には、実は多くの複雑なプロセスがあります。

ひらがな読み書きは、何歳だから、何年生だからできて当たり前、ということではなく、その子の発達段階に合わせたサポートや学び方があります。

そのことが広く知られ、読み書きに苦手さを持つお子さんがその子にあったサポートや学び方に繋がるように。そしてお子さんの「読みたい」「書きたい」といった気持ちが更なる読める・書ける、に繋がるように。そんなことができる教室を作りながら、多くの大人に子どもが通過している文字を習得するまでのプロセスや、そこで子どもたちが感じる難しさを知っていただけたらと願います。

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