ハラスメント被害者の家族・友人へ
唐突ですが お願いがあります。
どうか、被害を受けた方の話に耳を傾けてあげてください。
そして、自分だけではどうにもならなかったという絶望を蒸し返すような言動は控えてください。
ご自身の体験、ご自身の価値観で描いた社会人像・パートナー像・男性像・女性像・子供像...を良かれと思ってのアドバイスという衣に包んで押し付けないでほしいのです。
ハラスメント被害は、遭いたくて遭うようなものではありません。職場や学校では、同じ課に配属される上司や、クラスメートを選べません。
既に被害を受けた方は、最後の最後まで戦い抜いて、心が折れてしまったのかもしれません。組織で戦うという事は、大きなリスクを背負います。結託した仲間にも被害が及ぶ可能性があるため、多くは「孤独な」戦いとなるでしょう。たった一人で組織と対峙することの重みを、「それはお前の根性が足りない」等という一面的な見方で軽んじてしまうようなことはあってはなりません。受けた痛みは、受けた人にしか図れないのですから。
また、戦うという選択肢を選べないほどに、消耗している人も数多くいます。命の危険を感じるからこそ、逃げる。それは何も悪いことではありません。生存本能です。その生命体としての本質を否定しないでください。それは「戦って戦って、死ね!」と言われているのと同じです。武器も何も持たず、戦地に送り出すことのどこに愛ゆえの厳しさがありますか。
とにもかくにも、ハラスメントの被害というものは、人間の尊厳・矜持・生活・個性…。時には人間として最も大切な”命”を奪ったりもします。最愛の”家族”を奪ったりもします。
あなたの目の前で、今横たわっているのは友人かもしれません。大事な家族かもしれません。たった一人で戦ってきたのか。それとも仲間に支えられながらも、どうにもならない現実に絶望したのか。きっと既に心身ともに一杯一杯なのです。
でももしかしたら「家族がいるから…」「俺はまだやれるから…」「心配かけたくないから…」とそれでも戦おうと前を向いているのかもしれません。それは本人でないと分かりません。
でも、戦い続けることは出来ません。僕たちに与えられた時間は1日24時間しかありません。時には立ち止まって考えたり、悩んだり、落ち込む瞬間もあります。
その立ち止まった瞬間を、否定しないでください。親だから。家族だから。心許した友人だから。何を言っても許されるわけではありません。
ただ、出来るだけ話を聞いて「辛かったね」「そばに居るよ」と支えてあげてください。
支える側も限界なのであれば、共に進もうという一言だけでもいいので、かけてあげてください。そして、周りを沢山頼ってください。自分たちだけで戦おうとしないでください。
そうでなくては、被害を受けた方は本当に一人になってしまいます。一番支えてほしい、そばに居て欲しい人に距離を置かれたら、どこに転がりこめばいいんでしょうか。
戦うのも孤独。悩むのも孤独では、救いが全くありません。それでは被害者に対し、追い打ちのハラスメントをかけているのと同じです。
どうかお願いです。
ただ、被害を受けた方へ、共感してあげてください。主義主張はいりません。あなたの価値観もいりません。男らしさも女らしさもいりません。
「辛かったね」「苦しいんだね」「一緒にいるよ」
そんな言葉だけでいいのです。
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最近ハラスメント関連の相談を頂くことが増えている中、少し思ったことを徒然なるままに書きました。
同時に、こうした事がある風土を絶対に未来に残したくないと気持ちを新たにしています。
皆さんの周りでそうした事があれば、少しでも解決の支えになれたらと。何かあれば何処へでも行ければと思うので、何なりとお伝えください。
そんな一方で、被害者のメンタルケアもやはり重要だなと感じています。それには高名な医者や専門家よりも、共に歩む家族や大切な仲間が「そばにいるからね」という一言を発してくれる方が、何万倍も救いになると感じています。
大切な人との間に距離を感じることが、何よりも辛いですから。
アドバイスなんていらないんです。鼓舞もいらないんです。
ただ、傍にいることを伝えてあげてください。
たった一人の力で乗り越えられるほど、強い人間なんていませんから。
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