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バンドマンは働き方改革が得意※多分

もう7.8年?くらい、働き方改革とかワークライフバランスという分野に関わっておりますが、ちょっと面白い傾向が見えてきたので、少しまとめてみます。
※なお、ここで書くことは完全に僕の主観です

バンドマンは働き方改革上手!…な気がする

※ここでのバンドマンは、ギタリストやベーシスト等に加え、趣味でバンドミュージックをDAW(Digital Audio Workstation)で作ったり、プロデューサーやエンジニアとして取り組む人も含めています

色々な方とこれまでご一緒してきましたが、「働き方改革を進める」「イクボスになる」という点においては、もちろん人間としての共感力等も重要なのですが、視野の広さやバランス感覚も大切な要素であると思っています。

一つの成果を最大化するために、プランABCDのどれを選択するのか。今あるリソース(ベテラン社員の存在、新たに用意したツール等)をどのように活用し、どういったバランスでそれぞれを配置していくのか。

軍師的な視点とでも言いましょうか。そうしたことも大切です。

そして、面白いことに「バンドでステージ等で長らく演奏してきた」「趣味でDAWで作曲している」なんて経験がある方って、こういうトータルマネジメントが得意な人が多いなと感じるんです。
※あくまで主観です

何でかな、と思って少し考えてみました。

レコーディングの裏側

レコーディングする時は、普段とは違う目で物事を見る必要があります。ただ全部の楽器の音を録音して、ハイお終い!じゃないんです。

楽器にはそれぞれ周波数があり、低い帯域(50~100Hzあたり)が強調されると音全体の重量感が増えますが、例えばエレキギターであまりに低音を強調しすぎると、ベースの音色とぶつかってしまい、全体的に何だかすっきりしない仕上がりになります。

逆に高音(4Khzより上くらい)を強調しすぎると、所謂耳に痛い音がしてしまったり、鍵盤チームの音色やドラムの金物類の帯域と食い合ったりして、ガチャガチャして聞き取りづらくなります。

こんな話すると、「じゃあギターってどうすんの?」と思うかもしれません。そこでミドルレンジ(大体400~1.8Khzくらいかな)です。

ここって音の太さとか温かさが顕著に出るポイントで、よくギタリストが雑誌インタビューとかで言う「抜ける音(全体のアンサンブルの中でしっかりと存在感のある音)」って概念にも直結する帯域です。ギターらしさのある美味しい音域で、ここがある程度しっかりと調整されると、全体の音像の中でギターサウンドが聞き取りやすくなります。

ところが、バンドサウンド全体で見た時に、ギターが突き抜けることがいいのか?というと、そうでもない

ギタリストのソロアルバムで全編弾きまくりだぜ!なんて場合はちょっと違いますが、恐らく一般的に一番聞かせたいのは「曲そのもの」。特定の楽器だけで出来上がるものじゃないんですよね、これって。

ギターの美味しい音域って、下手すると時にボーカル(一番個人差がある部分ではありますが)の周波数帯と結構ぶつかってしまいがち。両方強調してミックスした結果「何だかごちゃごちゃしてやっぱり聞きづらい…」なんてことになると、一番聞かせたいものが聞かせられない…という残念なことになりかねません。

ですので、例えば意図的にミドルレンジを引っ込めたセッティングで、全体の音と馴染むようにバランスを取る…なんて工夫をして歌を際立たせたりとか、ギターアンプを2台鳴らしてイントロだとかAメロだとかで個別にバランス調整して、歌が入っているポイントでは一歩引っ込んだところで鳴っているように聞こえるよう工夫したりなんてことも必要になったりします。引くことの美学ですね。

ライブとかでもそうなんです。重量感のある音を出したい!からと言って、アンプのベースツマミをMAXにするより、他のパートとのバランスを取ったほうが、結果的にお客さんも自分も聞きやすかったりしますし、ドラム、ベースとバランスよく各周波数帯を楽器チームで埋めることで、かえって全体の音の厚みが増したりします。

勿論、これ以外にも色んな小技があるんですが、皆さんがCDとか配信で耳にする音源って、実はそうした隠れた配慮が沢山なされた状態で世に出ているんです。

で、こういう経験があるバンドマンって、仕事でも作曲とか演奏視点で見たりするんですよね。癖で。

Aという成果を最大化するために、チームのB君のマクロ視点での気づきとか、Cさんの巻き込み力とか、そうしたいろんな要素を上手く組み合わせていく必要がある。

Dという曲の良さを引き出すために、それぞれの楽器のパートごとの音量や質感のバランス、組み上げるフレーズやハーモニーをトータルでマネジメントする。ガツンと弾くところと、そうじゃないところのバランスをとる。
※ちなみにごとうは、ライブでテンション上がると無駄に弾きまくる時がある(そしてその時のことが記憶にない)ので、反省です

凄く似ていると思うんです。この2つの要素って。

そして面白いことに、働き方改革とかイクボスにちなんだ仕事をしてきた人に出会う中で「うわぁ、この人凄いなぁ」と感じた人って、不思議とバンド経験者とか、音楽好き!って人が多いんです。

勿論、これは僕の体験した中だけの話。音楽好きとか元バンドマンでなくとも、素晴らしく人間力がある社長さんであったり、素晴らしい成果を出しているような方々と沢山ご一緒しましたから、全てにおいてこの話が「絶対のもの」ではないと思います。

でも、結構当てはまるんじゃないかな…とひそかに感じてたり。

偉人の名言

僕の大好きなギタリストの一人が、昔ある雑誌でこう言っていました。

「アルバムで自分の持てる技術の120%を出す必要はないよ。大切なのはその曲にとって、そのテクニックが必要かどうかさ。成果としてのアルバムの作成アティチュードは150%だけどね」

ヴァイ先生。僕はあの時、またロックから大切な事を一つ教わりました。

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~ごとう について~


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