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Nitrux3.8 オシャレ、アニメーション効果豊富、ウィンドウ操作はクセがある
今回は、Nitrux3.8という見た目や動作がおしゃれでモダンなLinuxについて紹介します。
基本情報
ベースとなるOSとデスクトップ環境
ホームページには、ベースとなるOS、デスクトップ環境が記載されています。
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ベースとなるOS:Debian
デスクトップ環境:KDE Plasma
要求スペック
必要最低限の要求スペックが、ホームページに記載されています。
RAMは、4GB、ストレージは、64GBかつルートパーティションは14.67GB以上確保する必要があるみたいです。
ちょっと細かいです。
一般的な他のLinuxディストリビューションと比較して、やや要求スペックは高めといった感じです。
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今回は、Virtualboxにインストールしてみます。
インストール
インストーラーは、CaamaresというLinuxでは標準的かつ分かりやすいものですが、デザインはNitruxオリジナルなものになっています。
また、インストーラーを起動して少し待つと、自動的に日本語での案内になります。
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案内に従って、進めていけば問題なくインストールできるかと思われます。
日本語入力の確認
インストールが完了し、起動すると上部にタスクトレイ、下部にドックランチャーといったLinuxではよく見るレイアウトになっています。
テキストエディタはドックランチャーに登録されていますので、ランチャー上から『Nota』というテキストエディタを起動します。
そして日本語入力が可能であるか確かめるため、[半角/全角]キーを入力したところ、アポストロフィー(')が入力されます。
どうやら英語キーボードで認識されているようです。
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キーボード設定は後で修正するとして、ひとまず日本語入力が出来るか確認しています。タスクトレイの右上にある入力メソッドのアイコン“A”のアイコンをクリックすると、アイコンが切り替わります。
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すると同時にテキストエディタ上でも、「あ(全角かな)」の日本語入力切替の小窓が表示されます。
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そして、インストール直後でも、日本語入力出来ることを確認できました。
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しかし、インストール時にキーボードレイアウトを日本語キーボードで設定したにもかかわらず、英語キーボードになっているため、これを修正してみます。
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入力メソッドのアイコンを右クリックし、「設定」ボタンをクリックすると、“入力メソッドの設定画面”が開きます。
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“入力メソッドの設定画面”では、日本語キーボードを追加し、上部にドラッグし、もともとあった英語キーボードを削除してください。
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こうすることで、キーボードレイアウトが日本語キーボードになり、[半角/全角]キーで日本語入力切り替えが出来るようになりました。
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アプリケーションについて
プリインストールされているアプリケーションは少ないです。
ちなみにアプリケーション一覧の開き方は、Ubuntuと同様、画面全体に広がるタイプになります。ただし、あらかじめカテゴライズはされているため、ある程度整理されており、アプリケーションを探すのに、複数ページをまたぐことはありません。
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操作について
アプリケーションのウィンドウ操作について
アプリケーションのウィンドウに閉じる、最大化、最小化ボタンはありません。これらのボタンは、上部のタスクトレイ上の左に表示されます。
ですので、マウス操作でそのような操作を行いたい場合は、タスクトレイ上にマウスを移動させる必要があります。
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この形式の場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
縦の解像度が低いディスプレイでも、比較的広く画面を使用することが可能デメリット
ウィンドウ操作を行うのにマウスの移動距離が長くなる
この形式は、Unityデスクトップ環境で採用されている形式ですね。
アニメーション効果
アニメーション効果は良く効いています。
最小化時の所謂“魔法のランプ”の効果、アクティブウィンドウの切り替え時に、ウィンドウがぴょこっと前後に移動する効果、Windows11のようなウィンドウのタイリング効果等、使っていて楽しいです。
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仮想デスクトップ
また、当然ですが、KDEデスクトップ環境であるため、アクティビティ画面を開き、仮想デスクトップの切り替え、仮想デスクトップ間のアプリケーションの移動等も出来ます。
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コマンド入力について
Debianベースなので、パッケージ管理コマンド(aptコマンド)が使用できると思っていたのですが、“コマンドが見つかりません”とのメッセージが表示されてしまいました。
以前のバージョンでは、普通にaptコマンドは使う事ができたんですけどね。
調べてみましたが、結局、パッケージ管理コマンドが何であるのかは分かりませんでした。
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特に“sudo apt install (パッケージ名)”は、いちいちソフトウェアセンターを起動しなくても、簡単にインストール出来るので楽なんですけどね。
というわけでパッケージを追加インストールするには、ソフトウェアセンターから実施してください。
試しに画像編集ソフト“Gimp”をインストールしてみます。
Gimpを選択して、「Get」ボタンをクリックしてください。
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すると、Gimpのインストールが始まります。
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完了すると、“Nothing to do”とタスクがないことが表示されます。インストールが完了したってメッセージではありませんが、これでインストールは完了しています。
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そして、Gimpがちゃんとメニューに登録され、無事起動します。
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総括
見た目はオシャレですし、アニメーション効果も面白いものが多いです。
ただ、使い勝手は少しクセがあり、使っていて窮屈な印象を受けました。
このあたりは、パッケージ管理コマンド“apt”が使えなかったことが大きいです。以前のバージョンでは確か使えていたと思いましたが。
これからのバージョンアップに期待ですね。