見出し画像

ゼロ年代エロゲを一切通過しなかった俺

KANONとかAIRとかクラナドとか一切やったことがない。
そもそもノベルゲーというのが苦手で、だからギャルゲーの類もやった事がない。
友人によると感動系のエロゲはメンタルが弱っている時にガンガン効くらしい。

へー、そうなんだ。と鼻をほじりながら思った。

そして別の友人が「行殺新選組」というエロゲがビデオカードがGeForceだとフルスクリーンモードに出来ないというバグを抱えていて、そして開発力が無いからそのままバグを放置していたという話に呆れた。
まあ、あの当時エロゲをやるためにパソコンを買う人間なんかが高価なGeForceなんか搭載してないわな。INTELのi810かi815のオンボードVGAがせいぜいやろ。あの当時「夜勤病棟がプレイできるスペックのパソコンをください」なんていうオーダーでパソコン工房にマシンを組んでもらったりしていた人間らが居た頃やからな。そしてモニターも液晶のフルHD解像度じゃなくて1024x768のSVGA解像度のCRTモニターでやっていた頃や。そんな構成でもあの頃はまだパソコンも高かったからな。中にはうんこみたいな性能の5万円マシンというのがヒューレット・パッカードから出ていたりしていたけど。i810チップセットのマザーボードにCeleronというのが当時のエロゲマシンの定番の組み合わせだ。

んで、友人からその感動系エロゲのおおよそのストーリーというのを聞いたんやが、なんというか、これってモノクロ時代の邦画のストーリーのテクスチャを変えた焼き直しでは?と思った。
世の中には山のように感動系のストーリーはあるわけで、それらをガワだけ美少女にしたら製品として通用してしまう。なんかやり口が陳腐やなって思った。あと微妙にゼロ年代エロゲやないけど「ONE~輝く季節へ~」なんかも盲目とか登校拒否とかハンデキャッパーを登場させ萌えさせるという手法がすごく嫌だった。おいらは仕事柄障害者とかハンディキャップのある人間に触れることが多いんから、その手の人間を感動エロゲの材料に使うという発想がいやらしい。というかハンディキャップのそんな消費の仕方は辞めていただきたい。

この時代はFPSがQUAKEの影響で空前の盛り上がりを見せていて特にQUAKEIIIの登場は衝撃的で、おいらもパソコンショップの店頭でデモを観たんやが、もうグラフィックもそれまでの常識ではあり得ないレベルでこれが動くと思うと興奮したんだ。それで金を貯めて自分なりにDOS/V自作の本をあれこれ読んで知識を身に着けパソコンを買ったんだ。
それからはというと夜に仕事で帰ってきてヘトヘトになってもFPSのデスマッチをオンラインでする時は体力がモリモリ回復して深夜までデスマッチをしていた。

ただこの当時、日本でFPSのプレイヤー人口は7000人くらいと言われていてエロゲに比べてマイナーな趣味だった。当時まだ存在したソフマップ梅田店でのパソコンゲームのコーナーでもエロゲのコーナーが一般向けゲームソフトの倍以上広かったのを思い出す。エロゲエロゲ、あまり売れなかったエロゲもレジ横のワゴンセール棚に投げ売り価格で売られてて、とにかくエロゲまみれだった。
そしてエロゲをプレイする人間等もまともにプレイせずCGを引っこ抜くツールでエロ絵だけ本体からぶっこ抜いてあとは売り飛ばすという連中も居た。

昔は予算100万円くらいで開発できたエロゲがだんだん要求されるレベルが高くなり主題歌つきとかムービーつきとか声優のボイスつきとか、豪華になればなるほど開発費がかかり、かつての家内手工業的な作りが出来なくなって業界が縮小した。

当時のテキストサイトや匿名掲示板でのエロゲの熱狂ぶりは何だったんだろう?応援バナーをサイトに貼るとかいう文化とか、そういうのは日本のインターネットの歴史から消え去っている。ゼロ年代エロゲは一切通過しなったが歴史という物を語るならエロゲの影響というのは避けては通れないだろう。例えばFPSの歴史を語る際にDOOMやQUAKEやCOUNTER-STRIKEを語らないような物だ。痛々しい話やがそれも含めて歴史という物でインターネット史やサブカルチャー史を語るうえではやはり避けては通れない。だからエロゲではないがノベルゲーの名作「ひぐらしのなく頃に」は全部プレイしたしリリスのバリュー価格エロゲというのもプレイしてみた。
ひぐらしは最後のオチ以外は面白かった。最後は酷い。ミステリーではなくファンタジーになっていたのが酷い。どうも竜騎士07という作家は最後はファンタジーに逃げるというのが常套手段と化しているようだ。
かつてのエロゲは解体されその萌え要素がソシャゲなんかに受け継がれたというのが自分の印象だ。ウマ娘なんかも絵柄が微妙に古い。ゼロ年代エロゲのセンスだ。ゼロ年代の古い絵柄のルネッサンスというわけだ。文化としては衰退してしまったが、その要素は今現代にも受け継がれている。

いいなと思ったら応援しよう!