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怒鳴り散らす時間があるのなら、まず、出来ることをせい!
前回の記事で、少しばかり息子のことに触れた。
息子が、農家を継いでくれるようになり、柿採りの作業は順調よく進んでいる。
夫の負担も減り、夫はきっと大助かりだ。
だけど、「脱渋」と「柿採り」と「荷づめ」で、三位一体となって、柿採り作業となる。
柿採りともなると、考えなければならないことが、一気に増える。
息子は、まだ、先を見通しながら、全体を見回し、現場を動かすことに足りない。
親が居ることに「甘え」もあるのかもしれないけど、「脳みそ」が動いていないのだ。
だから、夫に大目玉をくらうことがあるだなんてことを、ちょっと公開してしまった。(ごめんよ。息子)
だけども、先日、それ以上に動いてなかった、自分の「脳みそ」に青ざめたのは、私だ。
これは、老化なのか、それとも、アホなのか、それとも・・・。
先日のこと。
柿の荷づめを、来て下さったアルバイトさんと済ませ、前もってお願いしていた「買い出し」に、連れて行ってもらおうとすると、「息子に連れて行ってもらえ」と夫がいう。
息子は、荷づめを終えた柿の箱を、パレットに積み替えている最中だった。
運送屋に持って行ってもらうには、荷づめを終えた柿の箱を、運送屋のパレットに、決まった積み方(「市場積み」という)で、積み替える必要がある。
2つのパレットの積み替えを終え、さいごのパレットに積み替えている息子を、私も手伝うことにした。
二人でするには、あっという間で、ハレバレとスーパーへ向かった。
息子に「買い出し」に連れて行ってもらう時は、息子が欲しいモノを、買い物かごに入れると、車で待ってくれるのが定番。
私は、ゆっくりと買い物を出来る。
ルンルンルンと、車に戻ると、息子が青ざめている。
父ちゃん、キレてる。
電話かかってきた。
どうやら、パレットに積み替えるときに、間違えて、「家のパレット」を使ったらしい。
へ?!
唖然とすると同時に、落胆。
私も青ざめたのは、言うまでもない。
自然と、車のスピードは速まる。
車内の私たちは、無言のまま、家が近づくと、息を吞んだ。
想像通り、私たちの車のエンジンの音を聞きつけ、玄関をあけた夫は、真っ赤な顔をして、仁王立ち。
トゥリヤァァァァァ💢
お前は、アホかぁっ!
✖△?!¶÷〇§Θ?/8&・・・・・💢
あとは、何を言っているのか分からなかったが、車を降りた、息子とわたしは、柿の荷が積まれたパレットに駈け寄る。
アッちゃぁっっっ
何段にも積み重ねられた柿の荷のパレットの周囲に、十分な余裕があるのを見つけて、膝から崩れ落ちる思いがした。
ガクッ
家のパレットより、ひと回り小さい運送屋用のパレットに積むと、周囲に余白はないのだ。
私は、何で、あの時の「違和感」を信じなかったのだろう。
既に息子によって積まれた柿の荷を見て、瞬時に違和感をかんじた。
残りの荷を積むのを手伝いながら、それでも、何に対しての「違和感」だったのか、その時は気付かなかった。
一生懸命、「家のパレット」から、「家のパレット」へ、アホみたいに、積み替えていたのだ。
長年、パレット積みをやってきたからこその違和感だったのだろうけど、自分に呆れた。
何はともあれ、運送屋用のパレットに積み替えないと、荷物は持って行ってもらえない。
これ、積み替え、今から出来る気せえへん?
息子に問いかけると、息子は即、リフトを触り始めた。
リフトのエンジンの音を聞いて、すぐさま、夫が家の中から、飛び出してきた。
触るなぁっ!
もう運送屋がくるんや。
さっき、電話あったんや。
放っとけぇっ!
運送屋へ折り返し、電話できひんの?
携帯で、連絡つけてくれるんちゃうの?
すこし、遅らせてもらえれば・・・。
言ってはみたが、私の言うことに耳を貸さない様子の夫。
さぁ!やるで!出来るところまでしよう!
スーパーで買ってきた、冷凍ものが気になったが、夫の怒鳴り声を振り切り、息子に声をかけた。
再び、リフトのエンジンが動き出し、準備が整った。
そこから、私たちは、2倍速、3倍速、ここ最近で一番、とてつもなく力を出し切るようにして、二度目の「市場積み」に取り掛かった。
二人で取り掛かると、通常30分はかかる、積み替えを半分ほどの時間で仕上げたが、汗だくだくで、50代のおばちゃんにはきつかった。
終わりが見えたとき、運送屋のトラックが上がってきた。
ようやく最後の荷を積み終えると、庭先に着いた運送屋のおじさんと、会話をする夫の声が聞こえてきた。
アホやろ?!
「家のパレット」から、「家のパレット」に積み替えてどないするねんっつうねんなぁ。
いーや!
アンタの方がアホやろ。
怒鳴り散らす時間があるのなら、まず、出来ることをせい!
とは、言わなかったけど、行動に移した背中を息子に見せることは、出来ただろうか。
まず、できる「かも」しれんと思ったら、勘を信じて、動くんやで。
一時は間に合わないと思ったけど、息子に声を掛け、やれやれとばかりに、買い物袋が気になって、台所へ向かった。
夫に期待はしていなかったけど、買い物袋はテーブルの上に、無造作に置かれままの状態だった。
トゥリヤァァァァァ💢