【編集者エッセイ】「さぼっているんじゃない。エネルギーを溜めているだけ」で休んでOKなんですよ。
5月26日に精神科医・藤野智哉先生の著書『「誰かのため」に生きすぎない』が発売になりました。
発売1か月で3刷りとなり、テレビでも注目の本として紹介されるなど、ご好評をいただいています。
このnoteでは、好評を記念して、担当編集者が「印象に残っていておすすめの3本は?」と考えた時に思い浮かぶお話を書籍の中から抜粋して紹介します。今回は第1回です(全3回)。
さぼっているんじゃない。
「エネルギーを溜めているだけ」で
休んでOKなんですよ。
うつになると休みがちになるため、「うつの人は休む」というイメージがある人もいるかもしれませんが、逆です。
むしろ「適切なタイミングで休めなかったからうつになってしまった」というパターンも多いのです。
とはいっても、「まわりに迷惑をかけるし」「私だけ休むのは悪いし」「病気でもないのに」などと、「休めない理由」をたくさんもってしまっている人もいます。
そういう人は、逆に「休む理由」をたくさん探してみましょう。
「休めない理由」を考えられる人はいても、あきらかな不調や用事以外で「休む理由」ってなかなか難しい人も多いものです。
たとえば、
・しんどいときにやっても効率は上がらないし
・明日ベストな状態で仕事するために今日は休もう
・子どものことを考えたら、がんばりすぎてつぶれちゃうよりいい
・休んでも、そこまで仕事に穴は空かない
・たいていのことはなんとかなるし、自分の体が一番大事
こんなふうに自分なりに納得のいく「休む理由」を考えてみるのです。
そして、「しんどいな」と思ったときは、こうした「休む理由」を自分で自分に言い聞かせてあげてください。
そして、適度に自分に「休み」をとってあげられるようになるといいですね。
この「休む理由」はもっと軽い感じで、
・休みたいと思ったときが休みどき
・さぼっているんじゃない。エネルギーを溜めているだけ
くらいのゆるっとしたフレーズでもいいと思いますよ。
肩の力が抜けて、「もう、休んじゃおう」と思えるならそれでOK。
こうした「気楽に休めるフレーズ」をたくさんもっておくのもいいでしょう。いざというときに役に立つと思います。
しんどくなったら、「気楽に休めるフレーズ」をつぶやいて、えいやっと休むこと。
しっかり覚えていてくださいね
続きが気になる方に
著者について
藤野智哉(ふじの・ともや)
1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。
秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。
学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。
精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、メディアへの出演も多数。
著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。
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