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【わたしの推し本】目次を読めば、ふつうの哲学の入門書じゃないぞ、と気づいていただけるはず。(編集部 橋本)

7月20日より全国の書店さまにてご展開いただく予定の「編集者の推し本フェア」。
この記事では、店頭POPよりももっと熱い「推しポイント」を、各書籍の担当編集者がお届けします。


◎この本を簡単に説明すると…

スマホは私たちの生活をどう変えてしまったのか?
いつでもどこでもつながれる「常時接続の世界」で、私たちはどう生きるべきか?

スマホから得られる刺激で、不安や退屈、寂しさを埋めようとする私たち。しかし寂しさは加速するばかりで、私たちはますます他者への関心を失い、自分の内側に閉じこもっていく。
そうして失われていったのが、自分自身ときちんと向き合うための〈孤独〉だった――――。

ニーチェ、オルテガ、ハンナ・アーレント、パスカル、村上春樹、エヴァetc……
哲学からメディア論、カルチャーまで縦横無尽。
〈孤独〉をめぐる哲学の冒険が、いま、始まる。

単に「スマホ」に警鐘をならす本でも、ふつうの哲学入門書でもない。
あなたの知的好奇心を刺激すること間違いなしの1冊です。

◎この本が生まれたきっかけ 

日々時間に追われていて、わかりやすい答えをすぐにほしがる自分に危機感を覚え、「ネガティヴ・ケイパビリティ」(結論づけず、モヤモヤした状態で留めておく能力)というキーワードに興味を持っていました。そこでたまたま谷川さんのインタビュー記事に出会い、面白いお話を聞かせていただけそうだと思い、お声がけしたところから始まりました。

◎こんなあなたに届けたい! 

予定がいっぱい詰まっていて忙しい生活に、どこか安心感を覚えている人。
空き時間ができると、すぐにタスクを詰め込んでしまう人。
何も見たいものがないのに、無意識にスマホを取り出してしまう人。
休日にぼんやりとスマホを見続けてしまう人。
情報の海におぼれている自覚がある人。
自分とじっくり向き合えていない人。

これはつまりわたしのことなのですが……
自分と同じような人に、ぜひ読んでいただきたいです。

自分がいまどんな状況にあるのか、一歩ひいて眺めてみること。
わかりやすい答えに飛びつかず、モヤモヤと対峙すること。
孤独の中で自分と対話すること。

私自身が読者だからこそ、こういった大事なことを教えてくれる本だと、自信をもっておすすめできます。

◎編集中や発売後の裏話

当初のテーマは実は「スマホ時代」ではなく、第2章のタイトル「自分の頭で考えないための哲学」がメインの企画でした。谷川さんと時間をかけて原稿をやりとりする中で、谷川さんが見つけてくださった一本の軸が「スマホ時代」でした。

◎わたしの「推し」ポイントはここ! 

いっぱいあるので難しいのですが……下記の引用は、「哲学の姿勢」が凝縮されているように思えて、好きな部分です。

私たちは何かを理解しようと手を伸ばすけれども、それはいつも不完全で足りません。(中略)しかし、こうした欠如や有限性は、私たちを動けなくするものなのでしょうか。むしろ、私たちを奮い立たせるものだと言えないでしょうか。今立っている場所から、あの丘の向こうが見えないことは、「もう少し先まで歩いてみよう」と誘うものではないでしょうか。
もしそう考えてよいなら、謎に安易な説明や解釈を加えずに、その完全な説明が不可能だというスタンスを維持したまま、どこまでも深く理解してみせようとするネガティヴ・ケイパビリティは、今はまだ手の届かないところへと手を伸ばし、未知の大地へと踏み出す冒険者的な好奇心に与えられた別の名前なのだと理解できます。つまり、私たちの不完全さや未熟さは、自分の生の内側で堂々巡りする理由を与えてくれるものではなく、今いるところから一歩ずつ歩いてみるきっかけにほかなりません。(p.284-285)

あとは、目次を読むだけでわくわくするところ!

◎最後にお伝えしたいこと

どんなことが書いてあるんだろうとページをめくる楽しさ、文章をゆっくり咀嚼する時間、自分のことが言い当てられたように感じてドキッとする気持ち、すぐにわからなくても、深く考えをめぐらせること……いろんな体験ができる本です。

キャッチーなデザインが目印。ぜひ手に取ってみてください!

ご購入は店頭もしくはオンライン書店にて!


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