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Communicative Money 対話型マネー

私たちがお金を使うときは、常にお金に対して、一方向のコミュニケーションがなされる。つまり、私たちが使いたい時にお金を使う。一方で、お金は私たちに自分自身を使って欲しいと懇願することはない。

では、私たちの生活をより豊かにしてくれるような、対話型マネーがあったらどうだろうか。

最近、チャットGPTなど、生成AI技術の普及が進む中、技術と人間が相互にコミュニケーションをとることで、私たちの作業が進んでいく機会が増えたように思う。例えば、英語がわからないとき、私たちは、チャットGPTに「この文章を翻訳して」と言って手伝ってもらうことで、作業を円滑に進めることができる。また、複雑な概念を短い時間で理解することが求められるとき、私たちは、チャットGPTに「〇〇について簡潔に説明してほしい」と頼むことで、問題を解決できるケースがある。

このような、私たちと生成AIの関係をお金を媒介してできないだろうか。例えば、チャットGPTなどの生成AI技術を搭載した、「学習能力があり、コミュニケーションが可能なデジタルなお金」を作ったとしたら、私たちの生活は豊かになるだろうか。日々の消費行動において、私たちは、さまざまな決断をすることが求められている。例えば、残業終わりにコンビニで夜食を買うとき、新商品のお菓子を買うか、いつものお菓子を買うか、はたまた最近太ってきてしまったので、買うのをやめるか、今月は浪費してしまったので、節約のため、買うのをやめるか、「商品を買うか否か」「どの商品を買うか否か」をめぐりさまざまな自問自答をする必要がある。例えば、その一部をお金が会話の相手として担ってくれるのならばどうだろうか。そもそも、お金の管理自体を私たちが担うのではなく、お金自身が担ってくれたら、もっと楽なのではないだろうか。例えば、私のお財布の中にあるデジタルマネーが自分たちで、過去のパターンに基づき、今後どの程度の「お金を使う機会」が待ち受けていて、次の給料日がいくらか把握していて、赤字になりそうになったら、私たちに「使いすぎだよー」との助言をしてくれたらどうだろうか。

お金が動かないもの、じゃべることがないもの、私たちとは対話できず相容れないものだと認識しているが、いつか、それらが私たちにもっと寄り添うものになったら私たちの生活はより豊かになるのだろうか。

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