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映画内における暴力とリドリースコットの演出

はい、みなさん こんにちは
前回の記事で
暴力への渇望が深作監督とポールヴァーボーベンの本質的な演出力になっているかもしれない
ということを書きました

今回はそこで
暴力そのものの扱いとはなんじゃろな?とそこにおけるリドリースコットの演出の話を少しだけ書いていきたいと思います


暴力ってなんや


突然ですが
格闘技と、実力行使で力まかせに殴るのは
技術と技術のない力を振りかざす暴力の差だと思うのです
YouTubeで話題のブレイキングダウンのオーディションがまさにそれで
あそこで見ている人が求めている根源的な欲求は結局、いがみ合い、プライドのぶつかり合い、動物の縄張り争いを見ているような感覚だと思うんです
そこにできるだけ理性は介在してほしくない
理性を抜いた剥き出しの感情やぶつかり合い
そのものが見たいとも言えると思います
それこそが一つの暴力性だと感じるのです
暴力性とは繊細さのない、粗暴で荒い相手に対する自分に対しても含む扱い方であり
技術のない力任せのねじ伏せるパワーそのもの
格闘技の例えばボクシングやキックボクシング、ムエタイやら、柔術や柔道や剣術や空手や功夫でも良い
そこに自分を律して相手を敬いながらも相手と相対した時に自分の学んできた技術を活かして相手を倒すのは
暴力性がありつつ理性でコントロールしている状態であるので少なくとも剥き出しの暴力ではなくそれがルールの中で行われているのであれば格闘技に値するのだと思います

戦争という暴力


戦争は暴力ではあると思っています
人間の人を殺すという、人に有らざる行為を肯定的にやってしまえる状況そのものが狂っている
しかし、戦争における技術も存在していて暴力を最大限にコントロールして敵を倒していき自分が勝つという基本戦略は、戦略や戦術と代表されるように
やはり技術があるのです
それを映画に置き換えると戦争映画においてそういった部分をそこまで描いてるのはあまりないように思います
ただ
技術というのは描いてしまうとまた暴力が内在していればしているほど
純粋な非情さというのが顕になり帰って暴力性を引き立たせてしまうという矛盾を孕んでいます

技術は冷静さの表れですが


戦術に特化した映画内における描写って
冷たい残酷なクールさを感じることがあると思うのですが
自分はまさにそれだと思っています
そこにいかに残酷さを持たずに描くか、もしくはそうはならないようにするかは本人次第ですが
相手に対するリスペクトや敬いがあるかないかによって、切なさの度合いが変わってくるのではないかなと思ったりしています

リドリー・スコットのデビュー作デュエリスト


ハーヴェイカイテルが執拗に決闘するために追いかけてくるの怖すぎる

デュエリスト
この作品自分は大好きなのですが
リドリー・スコットの定番の演出の一つに
対決
というのがあると思います
しかし、その対決はどちらが勝っても
側から見たら、状況としては明らかな勝利者宣言のもと喜ぶということよりも闘った後、その経験をした上で背負っていかなければならない苦悩を感じさせる描き方がとてもいいと思ってますね
リドリー・スコットのデビュー作もまさにそんな形で互いの因縁からひたすら決闘をし続けてしまう
二人の軍人が描かれるわけですが
これがどちらが勝ってもあまり意味がない
元も子もないですが
意味として存在しているのは二人の気持ちの付け方で本質的にはある意味で決闘そのものが悪とも言える
闘いの先にあるのは二人の尊厳だけ
そこが面白いのですよね

リドリースコット監督はそういった敵味方関係なく争いそのものの意味のなさ、しかしその争いそのものには敬意を表現している、その状況に置かれてしまった時の無情さ、残酷さ、そして暴力性
そして対決する敵味方関わらずリスペクトするというのが絶妙に上手い監督だなぁと思います

日本映画的アプローチとしてここまでやっている人ってほぼいないのじゃないかなぁと思いつつ
リドリースコットがグラディエーターという剣闘士そのものにフォーカスして描いたのは
必然的にリドリースコットの代表作になるのは
なるべくしてなったな
と思うわけです


あとがき


リドリースコット対決ものとして
その対決は人だけでなく状況そのものだったりするわけでそこも面白いなぁと思います
順不同思いついたもの列挙すると、、

デュエリスト
エイリアン
ブレードランナー
レジェンド光と闇の伝説
白い嵐
ブラックホークダウン
グラディエーター
キングダムオブヘブン
エキソダス

ほとんど対決ばっかしww

あんまり話題にならなかったけど

エキソダス、ロビンフッド、キングダムオブヘブン
リドスコの歴史大作すきなんだよなー笑

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リドリーやました絶対映画監督主義
読んでくれてありがとうございます!自分もめちゃ嬉しいです!笑笑、良ければフォローよろしくお願い致します^_^