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アフリカのことばを触る|ウガンダ生活
今週もこんにちは。なんだか今週は疲れました🥱 新年度ですね〜〜
仕事で、一年のうち五ヶ月ほどをウガンダ北部のアチョリという地域で過ごしています。そう話すと、よく聞かれるのは「英語は通じるの?」ということ。はい、英語は通じます。でも、それとは別に現地語もある。
現地語を少しでも話せると「おまえしゃべれるのか!」とみんな喜んでくれるのが嬉しくて、ちょこちょこ勉強しています。
それがアチョリ語。話者100万人弱と言われるマイナー言語です。
正しい書き方がないことば
アチョリ語は西ナイル語系というアフリカ特有の言語グループに属し、文法も響きも日本語や英語と違います。単語ひとつも分からない、ゼロからのスタート。
驚いたのは、アチョリ語に正しい書き方(正書法)がないこと! もともと話し言葉なので、単語をメモして覚えようとしても、綴りがまちまちなんです。声調(音の高低)も大事なので、音痴の自分はかなり苦戦しています。
ここまで分からないと本当に手探りというか、なんというか・・・ことばを触っている感覚になります。日本語だと考え事もできるけど、アチョリ語でそんなの無理無理無理。
「文化に触れる」とはよく言ったもので、石みたいに単語を手にひとつひとつ持って、これ何だっけと確かめている感じ。今日はそんな中で見つけたぼくなりの「ことばを触る方法」について書きます。
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あいさつから広げる
そもそもアチョリ語は体系的に勉強があまりできないので、まずは暗記。挨拶から入ってバリエーションを色々増やすようにしています。
Apwoyo!(ありがとう!)
アチョリ語で一番よく使われるフレーズ。ここから派生して次のようなフレーズを覚えました。ちょっとアレンジすると、聞く人も「おっ」と喜んでくれるかも。
Apwoyo luate kuedu.([複数人に向かって]はじめまして)
Apwoyo luonga.(誘ってくれてありがとう)
Apwoyo winyu ne.(聞いてくれてありがとう)
Apwoyo dugu(おかえり)
発音は「アポヨ」ではなく「アプォゥヨゥ」かな。「プォゥ」を小さく破裂させ、その余韻で「ヨゥ」を引きずり出すような感じです。
頻出語を覚える
よく使うフレーズやアチョリで日本人として過ごす中で使う内容や文章を優先的に覚えるようにしています。生活でよく使う名詞(机=Meja、椅子=Komとか)や数字の使い方も基本ですね。
Kombeti cawa adi?(今、何時ですか?)
Cuolong ki kwene?(トイレはどこですか?)
Fonyo i leb Acholi tek matek.(アチョリ語を勉強するのはすごく難しいです)
Iburo maber?/Iuee maber?(よく寝た?/よく休んだ?)
Tin abi bedo i office./Tin abi ceto training.(今日は事務所/研修に行きます)
Pe anyaa. Lok mot wek aniang?(分かりません。ゆっくり話してください)
文章をアレンジする
簡単な文章をいくつか丸覚えしたら、それをアレンジして好きなことが言えるように頑張ってみます。例えば下では、Amitoが「〜したい」という意味。
Amito mato pii.(水が飲みたいです)
Amito camo dek.(ご飯が食べたいです)
Amito miyo lapen macego.(あなたにインタビューがしたいです)
ディープをつまみ食いする
たまに「外国人が言いそうにない」ディープなフレーズを出すと「すごいな!」と喜んでもらえるのでやる気が出る(笑) 言語の勉強には自己満足も大事。
Keti tye kaneki?(お腹がすいたんじゃない?)
Labang kuang(おかずを食べずに、主食だけ食べる人)
Wiya nono.(私は独身です)
ディープな単語を勉強する意味はもうひとつあって、初学者には意味が分からないので、背景や意味を聞くことになる。その過程が文化の深い森に分け入っていくようで楽しいです。
食べ物はゆずらない
単に好きなのかな、ぼくは食べ物のことだと急に覚えられる。食事に限らず、「これなら覚えられる」という得意分野を見つけるのはいい手かも。農業系の単語は農家と話すために勉強中です。
食べ物関連
Itye ki dek ngo?([食堂で]今日のメニューは何ですか?)
Ringo/Rec/Ton Gweno/Pot dek(肉/魚/卵/野菜)
農業関連
Poto/Cuk(圃場/市場)
Pito codi/Kopo codi/Doyo poto/Kwanyo(播種/定植/除草/収穫)
他人のまねをする
子供も人の真似をして言葉を覚えていきますが、言語も人の真似をするのは基本だな〜と感じます。赤ちゃんになったつもりで真似しよう。
もうちょっと頑張って、うまくアチョリ語をさわれる人になりたいものです。また上達したら書きますね。みなさん、よい日曜日を!
(おわり)
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