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裏打ち頑張ってみた報告書2023夏その②
本記事はこちらの第一弾で宣言していた、裏打ち報告書その②になります。
基本的な手順は前回と同じ、変更した部分は報告書の中で言及していくこととします。
今回裏打ちしたのはこの三作品。
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アオサギ先輩とアボカドはnoteでも紹介済みです。
そして、まさかのコーヒー豆氏、「どうも、モザイクです」宣言……!
一体なぜ豆氏にご登場いただいたのかと申しますと。
この小さな作品、書の作品なんですが、こちらのつる・るるるさんの11月発売の新刊に載せていただくことになっている作品なのです。
ということで、ご本の著者であるるるるさんが公開する前にお披露目するのはやっぱりルール違反かと思いまして。
コーヒー豆氏というモザイクがかかることに。
そもそもこの夏、裏打ちをしたくなったのはこのアオサギ先輩を描いて気に入ってしまったから。
しかし、今回もアオサギ一枚だけのために裏打ち道具を広げるのは惜しいと思い、このご本のための書もプレゼントする予定だし、何か他にも、と思って古い作品を見ていたら、このアボカドが目に付きました。
このアボカド絵を紹介した記事を読んでいただければ分かると思いますが、この時実験的に試したのが「揉み紙」の技法。
つまり、約一年半、あの皺皺の状態で放置してあったわけなんですが、これを裏打ちでピシッと伸ばし、揉み紙の効果だけは絵として残る……と想像したらワクワクしてしまい、今回一緒に裏打ちしてみることにしました。
では、報告開始です。
道具はその①と同じなのでそちらをご覧ください。
前回撮っておいた方が良かったかも?と思ったのが、バットの中で水に延ばされたヤマト糊。
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いや、お見せしてもしょうがなかったかもしれない……。
刷毛に「のり」と書いてありますが、水刷毛として使っている刷毛と混同しないように。
過程は絵を裏返して水で皺を伸ばし、裏打ちの台紙に糊をつけ、絵の裏に貼る、というところまでは前回と同じです。
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連続して二点の作品をお見せしましたが、実際は一枚一枚を壁に貼り付けるところまで別々に仕上げていきます。
台紙を貼ったら、それを起こして壁に固定します。
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今回、何が前回と違うのかと言うと、壁に固定したときの絵の向き。前回は表を向けてマスキングテープで固定しましたが、今回は固定も裏を向きっぱなし。
つまり、台紙の絵より大きい部分には糊が付いているわけで、その糊で壁(タンスの扉、なんですが)に張り付くため、乾いていく過程でのヨレが防げるかと思いまして。
見ての通り、タンスの扉はツルツル加工なので、問題はない…はず。
三日後、三点とも完全に乾いていたようだったので、剥がしてみることにしました。
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豆氏の助けなしでも、作品が透けて見えないくらい乾いてます。
扉はツルツル加工、とは言え、剥がす過程で絵を傷つけたくないので、ペインティングナイフを絵と扉の間に差し込んで少しずつ剥がしていくことにしました。
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アボカド、剥がし途中です。
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以下、剥がして四方を切り落とした作品の写真です。
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るるるさん、ごめんなさい…
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この夏の裏打ち修行はここまで。
また秋冬に時間が取れたら挑戦したいと思っているので、今のうちに「裏打ちしたい!」と思える作品を仕上げておきたいと思います。
作品はしっかり乾いていれば乾いているほど良いので、描き上がりから裏打ちまで、少なくとも二ヶ月は置きたいです。
二度に渡ってお送りした2023年夏の裏打ち報告書にお付き合いくださった皆様、どうもありがとうございました。