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福島県浜通り 1 HAGI/萩フランス料理店
畑の味 HAGI
食材の命が宿る魂の作品たち
萩フランス料理店を訪ねるため、
いわきに泊まる夜。
やっと訪れることのできたフレンチレストラン。
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野菜が、
なぜこれほどまでに生き生きとしているのか?
震災後、「福島の食」の再興目指して10余年、
萩シェフがメディアに語り続けてきたこと。
それは「野菜が主役」ということ。
アンチフレンチ的とも言える料理作りのパーセプションチェンジにチャレンジし、
見事に独自の料理の世界を描き続けている。
(文末URL参照ください)
食材を生かしきる独特の技術が、
その味わいの力強さと優しさ、
そして長く続く深い余韻を醸し出す。
出会った人誰もが驚き、
否定できない感動と説得力に出会う。
店を後にした時、
豊かで幸せな記憶が脳裡に刻みつけられる。
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一つひとつの作品たちは、
大地の生命力に満ち溢れ、
その瑞々しいエネルギーを放ちながら、
否応なしに語りかけてくる。
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食が進むにつれ、元気を取り戻していく自分。
なんかそのような気持ちになってしまう。
これが、強い思いに裏打ちされた萩シェフ固有のマジックなのかもしれない。
食してみて初めてわかる。
今まで出会ったことのない”おいしい!”を体全体で感じる。
アイデアに溢れたルセットは、
まさに唯一無二の福島ヌーベルキュジーヌだ。
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シェフとソムリエールお二人の熱い思いがひしひしと伝わるマリアージュ。
食した皿数は10品以上。
その一品一品に繊細に合わせられたワインと酒も
10種以上。
地元のワインや日本酒も取り入れながら、今日の野菜たちと語り合って出来上がった饗宴のストーリーが展開されていく。
料理紹介も、
ワイン紹介も、
グラス替えも、
カトラリー替えも、
スマートに淀みなくサービスしてくださる
ソムリエール。
彼女の甲斐甲斐しい所作を眺めつつ、
ガストロノミーの迷宮に深く深く嵌っていく。
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県内産の薪を使った火🔥で料理する。
カトラリーに用意された箸も県内産の杉を使用しているとのこと。
とうもろこし、
枝豆、
グリンピース、
空豆などなど、
畑から2時間以内に収穫された野菜が
料理に供される。
魚介は常磐もの。
川俣軍鶏で作られた絶妙なコンソメ。
裏磐梯産のじゅんさい。
二本松で育った滋味豊かな経産牛ステーキ。
ジャージー牛乳も県内産。
そして、デザートの桃も…。
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「野菜が主役」というキャッチフレーズに表われる地産地消へのこだわりは、
あの震災後のリスタートに向けて決められた固い意思。
nippon.comの取材記事が心を打つ。
改めて、シェフの語るコンセプトワードに触れ、
先日の宴でいただいた料理ひとつひとつ、
そして酒たちに思いを馳せた。
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福島の食材は、私にとって世界一のブランド品。
福島の里、山、海をつなぐ料理。
料理人が地元福島の食材を守る。
萩フランス料理店
https://www.nippon.com/ja/views/b01713/
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