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「大丈夫」

「大丈夫」 聞かれて君は強がるの
「大丈夫」 その言葉にジワリと首を絞められていくの
「大丈夫」 言い聞かせて気丈にふるまうの
強引に押し付けられた「大丈夫」が 君に形ばかりの強さを求める
押しつぶされて 神経をすり減らしていく
たった一言 「大丈夫じゃない」が言えないで
誰か気付いて いやだ 放っておいて
相反する感情が交差する
君の中で響くどこか不気味な協和音 やるせない恐怖だけが募る
君は 最後の 息を 吐き出した

「大丈夫」 ためらう口元 無理に笑みを浮かべて
「大丈夫」 その言葉の意味を考えずに
「大丈夫」 そう信じ込んで 僕は君を見殺しにした
意味のないキャッチボール 形だけの信頼
「大丈夫」の言葉が僕たちの関係を蝕んでいく
たった一言 「大丈夫じゃない」が言えないで
あの時気付いていれば いや 気付いていたんだ
恐くて手を伸ばせなかった
僕の中で渦巻く後悔へのレクイエム 無意味な安息ばかりが募る
僕は 高みから 身を 投げた

かつての僕らが歩いてる 傷を抱えたまま隣で
誰にも理解されない苦しみはとっくの昔から知っていた
理解者すらも求めずに傷をなめあって
諦めた目で世界を眺めていた
「大丈夫」「大丈夫」
そう言い聞かせて そう信じ込んで
苦しくはなかった 互いがいれば
ただ 分かり合っていた 形だけの信頼さえも
ずっと一緒に居よう
邪魔しにくるものたちの手の届かないところで
もう 恐怖と相乗りなんかしないで いつでも手を繋ぐから
 
「大丈夫」じゃなかった僕らは
やっと 「大丈夫」になれた
2人だけの永遠の中で

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