物語　-愛-

「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」なんて結末　ありはしない
全て無くしたこの世界で　僕は君に何をあげられるのだろう
 
虐げられる毎日の中で　見失ったのは僕自身
守るべき自分もわからなくなって　自分で自分を傷付けた
誰とも関わりたくない　誰にも見られたくない
誰にも聞かれたくない　誰とも口を利きたくない
持っていたものをかなぐり捨て　思い出を塗りつぶし
大切な君を突き放した
かろうじて残っていたプライドも　徐々に浸食されていく
闇へ　闇へ　飲み込まれていく
そんな時　君の放つ光が　少し遠くで小さく光った

七転び八起きで迎える結末　ハッピーエンド
掌に残った幸福で　僕は君を彩ることができるだろうか
 
頼りなさげに揺れる光を辿り　手に入れたのは君との世界
汚れた顔を笑いあい　まとわりつく闇を追い払った
君と触れ合いたい　君に目を奪われていたい
君の声が聴きたい　君とずっと話していたい
持っていたものは壊れ　思い出せることもないけれど
大切な君だけはここに居た
プライドの錆を払い　君の光で照らそう
僕は君に「いつまでも」はきっとあげられない
でも　束の間なら約束しよう
「幸せに暮らしましたとさ」

強さを演じるなんて当たり前
僕は君の優しさすらも信じられなくなっていた
「さよなら」ばかり落としていくと
残ったのは僕でなく君の心だった
「いつまでも」はきっとあげられない
でも束の間なら約束しよう　ありえない結末を
僕が君のために作り上げた物語を
同じような物が溢れる毎日で　作り出す唯一無二の作品を
「幸せに暮らしましたとさ」