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戯曲

綺麗は穢ない 穢ないは綺麗
あんなに求めていたのに いざ与えられるとしり込みするの?
欲しい やっぱり いらない
拗ねてしまったのは 何回も手にできなかったから
わがままに過ぎない
幼いままの心が また傷付くことを拒絶する
独りで生きてきた 何も望めないままに
冷たい雨に凍えても 抱きしめられないで
暗闇で涙を流しては 孤独だと 自嘲する
信じられるのは 偽物だとわかり切ったぬくもり
繋いだ手は いつも 決まった時間にほどかれる

消えろ 消えろ 束の間の燭火(ともしび)
人生は歩いている影にすぎぬ
自己憐憫と陶酔 それくらいのナルシズム赦して
自分を壊すことにしか価値を見出せずに
幸せとか そうじゃないとか それすらわからなくなっていく
正しさが胸を深く抉っていく
過去に縋って 今を置いてけぼりにした
未来なんて奈落に堕ちるようで 一歩が踏み出せない
暗闇で涙を流しては 絶望だと 自嘲する
誰にどれだけ愛されても 埋まらない空洞
繋いだ手は 最後 自分から振りほどいた

愛情の欠落した心臓は一定のリズムで時を刻む
速くなることも 穏やかになることもなくただ一定に
夢の続きを見るために 口に薬を放り込んで
その苦さに身を委ねる

独りで生きてきた 何も望めないままに
冷たい雨に凍えても 抱きしめられないで
暗闇で涙を流しては 孤独だと 自嘲する
信じられるのは 偽物だとわかり切ったぬくもり
過去に縋って 今を置いてけぼりにした
未来なんて奈落に堕ちるようで 一歩が踏み出せない
暗闇で涙を流しては 絶望だと 自嘲する
誰にどれだけ愛されても 埋まらない空洞
繋いだ手を 最後 自分から振りほどいた

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