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playeder

僕の中に僕はいない 君の中に君はいない それが事実
他人の中に僕がいて 友達の中に君がいる そういう設定
名前という識別番号 学校というステージ
成績というレアリティに 金というHP そういう世界

画面の外から見てる視線 プレイヤーの指先とつながった行動
自意を持たないセリフに 好感度を上げるべく選ばれるYes or No
経験値稼ぎの巡回と 上がっていくレベル 進化していく体 そういう決まり

僕の世界がそういうものならば 君の世界もそうなのだろうか
僕の行動がプログラム通りならば 君の行動もそうなのだろうか
僕の感情が疑似的なものならば 君への感情もそうなのだろうか

これが僕の妄想であることを願って

現実世界というここで
僕はどうしようもないほどの雑魚キャラで
僕の見る君は手の届かないリア充(レアキャラ)だから
他人の中にいる僕と 友達の中にいる君では
あまりに不釣り合いなのはわかっているけれど

僕の中に僕はいない 君の中に君はいない
そのことを知っているのは互いに秘密だから
プレイヤーのいない時間 電源の落ちた世界で
僕たちの存在を確かめるため そっと手を繋ぐくらいは
いいよね

僕の中の君への気持ちは 君の中の僕への気持ちは
疑似的なプログラムだということを忘れて
シナリオの止まった セーブされた空間で
僕たちの気持ちを確かめるため そっと唇に触れるくらいは
いいよね

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