
朽ち木
最後の希望 生きる意味 潰えた今
もう何も望まない とっくにわかっていた こうなることは
最初から何もなかった 何もなかったから
受け取るはずだった愛情も 無条件にあるべき安心も 何もかも
一緒にいよう そう言った人も 何か与えようとした人も
上手く受け取れない私は その人までも傷付ける
ただ暗鬱に
産まれてきたことを恨んで 生きることを放棄した
何も持たない何かになりたい
誰にも影響されず 誰にも影響せず
朽ちてしまった枯れ木のように
誰にも知られず 眠りにつくの
生きていく理由
幾度となく問いかけても 未だ答えは見いだせず
もうどうしていいかわからない 死ぬこともできないで独り
私には最後までそれしかなかった
痛みと不安とその他諸々
死にたいだなんて言わないで その言葉も
生きていたらいいことあるよ その言葉も
上手く受け取れないで そのまま押しつぶされた
ほら仇花のように
何故 生きているの 何故 死ねないの
見た目だけの意味のない問いかけに
代わりになるものなんてたくさんあるから
朽ちた夢すらも 鮮やかで
何も知らずに 微笑んで
遺伝子が鳴らす鼓動は とうの昔に機械音にすり替わって
実をなさず枯れ落ちるのは この地球(ほし)が望んだ進化だろうか
死を受け入れたモノは生まれ変われず 無機物に
生を拒んだモノは涙にぬれて 錆びついて
ただ暗鬱に
産まれてきたことを恨んで 生きることを放棄した
なのに ほら仇花のように
見た目だけの意味のない問いかけから
欲しいと 芽生えた欲を見つけたから
まだ朽ちることはできないみたい
錆びついてても もう少しだけ 生きてみようか