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digzymeはマーケットインが意識できているディープテック。「技術上いままで見たことがない」驚きの声に励まされる日々と、礒崎さんのこれからの挑戦。
DRY解析、および、それに必要な解析基盤の構築をなされている礒崎さん。
前編、中編のインタビューを経て、いよいよラストの後編です!
ぜひ最後までご覧ください。
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ーーこれまでに、仕事で苦労されたことを教えてください。
お客様からの抽象的な課題を「事業的に有益、かつ、実現可能な解析手段」に落とし込むことですね。お客様にとって
「digzymeにどれくらいの粒度で依頼をしたらいいのかわからない」
もしくは
「そもそも粒度を細かくできない」
というときに、課題が抽象的であることがしばしばあります。
例えば、
「具体的な化合物の構造すらなくて、なんとなくこんな感じの性質を持ったものが欲しい」
「なんとなく今作っているこの生産品の生産量が上がると嬉しい、酵素が使えるか使えないかわからないけど・・・」
などのオーダー。
これらを実現する際、従来の手法や競合他社と、digzymeならではの技術を比較し、本質的に勝る部分があるかはもちろん、市場とマッチするかなども含めて多角的な視点で考え、最終的な解析手段に落とし込むことは毎回それなりに苦労しますね。
ーーなるほど。いつも、どのように乗り越えられていらっしゃいますか?
早めに社内外の適切な人材に相談することで解決しています。
また、今は事業部のメンバーが増えたので、僕が初回の面談から参加することも少なくなってきていて、上記のような抽象的なオーダーに僕自身が直面する機会は減っています。
会社の仕組みとして、抽象的なお題を具体化していくレイヤーがどんどん整ってきていていて有難いです。
ーーメンバーが増えることで、課題を解決しやすい環境がどんどん整っていっていますよね。
ところで『社内外の適切な人材に相談』といえば、礒崎さんは社内でかなり積極的にコミュニケーションを取られているイメージです。
私もいつも助けられておりますが、社外でも?
そうですね。新規事業のお話でも、ビザスクなどで有識者の方にヒアリングをよくします。
特に食品事業部関連の内容だと、宮内さん(注5:取締役CSMO、宮内 琢夫さん)経由で有識者の方々を募って、ご意見を伺うことも。
ーー心強いですね。ヒアリングした内容で、心に残っているものはありますか?
沢山ありますが、一例として・・・
とある酵素(試験に使うような)の活性をすごくあげられるとしたら、
それが事業になり得るかどうか?というお話をお聞きした際も、
「その酵素の活性は今まで一定以上上がったことがなくて、もちろん上がれば上がっただけ試験の精度が上がるので良いが・・・そんな例は技術上いままで見たことがない」
というお言葉をいただいて。
ーー「そんな例はみたことがない!」これは嬉しいですね!
はい。自信を持って、
「これは市場に深く刺さるなぁ」
ということを判断することができました。
ーー素敵な事例を教えていただきありがとうございます。
続いてのご質問なのですが、仕事をする上で大切にしていることはありますか?
これも、社内外問わずまめにコミュニケーションをとること、ですね。
そのためにも日頃から、問題が生じたときに早めの相談がしやすい関係性を築くことを大切にしています。
心理的障壁が下がっていると、悪い関係にはなりづらいですし『壁がある』と相手に明示しないことに気を配っていますね。
壁があることで、敵/味方、という2サイドが生まれてしまうので。ニュートラル以上であれば敵になることはないですし、問題が発生しづらくなるなと思っています。
ーー感慨深いです。そんな礒崎さんですが、今後どのようなことに取り組んでいきたい(チャレンジしたい)ですか?
まさに今取り組んでいることですが、wet研究業務全体の管理ですね。
過去はCTOの中村(注6:取締役CTO、中村 祐哉さん)の下に社員がフラットに存在している、という状態でしたが、今年からは僕と高山さん(注7:PI=プリンシパルインベスティゲーター、高山 裕生さん)が全WETメンバーのひとつ上のPIというレイヤーとして入って、その下にPM(プロジェクトマネージャー)、DRYメンバーは中村直下という組織図になりました。
WETの皆の研究業務を直接管理することが今までなかったので、不慣れで少し苦労していますが、同じPIの高山さんにも助けてもらいつつ、進めています。
今後のdigzymeに対して期待したいことは、さらにPM層が厚くなることです。なるべく、ある程度上流(DRY)のことがわかるWETメンバーを
増やしていきたいですね。
ーー次回インタビュー予定の彦有さん(注8:インフォマティクススペシャリスト、鈴木彦有さん)も、同じことをおっしゃっていました。
とはいえ、いきなりDRYのことを学ぼうと思っても具体的に何を学んだらいいのかピンとこないと思うので、そこはOJTを通して伝えていけたらと思います。
もちろんWETメンバー全体に対してアプローチしていくよう心がけておりますが、早期に動き出しているという意味では、今は僕が根岸さん(注9:シニアアソシエイト、根岸 孝至さん)高山さんが崎濱さん(注10:シニアアソシエイト、崎濱由梨さん)にDRYのことを色々と伝授しております。
ーーなるほど。DRY解析ができるWETメンバーが順調に増えたら、さらに強い組織になりますね。他には何か挑戦したいことはありますか?
『三次元構造を活用した酵素ファミリー』の特徴を反映した解析パイプラインの構築を促していきたいです。
これによって、酵素業界全体でいままで埋まっていない需要や、これまで試されていなかった新規のアプローチに繋がるはずなので、酵素を基盤としたものづくり全般の多様化、生産性の向上が見込めます。
ということで、田村さん(注11:インフォマティクススペシャリスト、田村康一さん)と一緒に進めていけたらなぁ、と。
digzymeの強みは、上流も下流もできて、さらに生産まで行えるように
準備しているところにあります。『AIでちょっとした解析をしてくれるところ』というニュアンスとは根本的に違うので・・・
ーー強みを強みたらしめる動きになりそうですね。
はい。やっぱりdigzymeは、マーケットインが意識できているディープテックだというところが最大の特徴なのかなって。
特に役員人はみんな、当然のようにスケーリングを意識しています。
ーーもちろん、細かい技術に関して他と差別化できているのは、
各分野のプロフェッショナルが集まっているからというところにありますが・・・ーー技術上、今できるかは一旦置いておいて、こういうことをすると大きくビジネスが飛躍していくでしょうというところにものすごくアンテナを貼っています。だからこそ、必要な技術が定義できて、定義した技術を確実に作れるという好循環があるんです。
ともすると、ディープテックの企業はスケーリングが目的ではない場合もあるんですよ。
でも僕らの考えは、『ある程度、稼げればいい』『この技術はすごいからどうせ引くてあまたでしょう』などのようなふわっとしたイメージじゃ駄目だということ。
いくら凄くても、使いたくない用途のものだったら『確かに革新的だけどな・・・』で止まってしまうこともよくあるそうですから。
ーーマーケットイン思考があるから、お客様の心を動かせるのかもしれませんね。
そうです。そのためにも渡来さんを筆頭に、スケーリングを意識してビジネスの最先端のところを調査し、それをちゃんと技術的な言葉に変換できる人がいることがすごく重要です。
ーー詳しく教えていただきありがとうございます!
さて。残りの質問も2つになりましたが、リフレッシュ方法や、余暇の過ごし方、趣味などがあれば教えてください!
「漫画、SF、料理、お笑い」ですね。フィクションは非日常的であればあるほど、現実を離れることができるので癒される側面があります(笑)
特に漫画は、もうずっと好きですね。小学二年生からずっとジャンプを買ってますし。
ーー愛読歴がかなり長いですね!料理、お笑いはどうですか?
料理に関しても、普段日本であまり食べれないような外国の料理を作って自分で食べることで、旅行気分のような非日常感を味わえるというところが好きなポイントです。
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お笑いは、東京から大阪の劇場まで観に行くくらい好きです。
M1も準々決勝くらいからチェックしますし、芸人さんのラジオも結構聞きますね。
今晩も僕の好きなエバースというコンビの漫才の配信があるので、楽しみです。
ーー意外なご趣味を色々伺えて、面白かったです。ありがとうございます。
最後に、digzymeに応募を考えている未来の仲間に一言あれば、お願いします。
人間性も、研究やこれまでの業務のバックグラウンドも、多種多様な人材が揃っていて、研究だけにとどまらない様々な分野の経験をできるので、新しいことにどんどんチャレンジしたい方、歓迎です!
いかがでしたでしょうか?
CTOの中村さんに引き続き、礒崎さんにも様々なお話を伺うことができました。ありがとうございます!
次回はインフォマティクス スペシャリストの鈴木彦有さんのインタビュー記事を掲載予定です。お楽しみに!