【社員インタビュー】取締役CTO 中村祐哉さん(2/3)
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さて、前回からスタートした社員インタビューコンテンツ
「digzyme Deep Dive」
今回も、取締役CTOの中村 祐哉さんに沢山お話を伺いました。
創業の経緯や、日々の業務内容を伺った前編に引き続き、
今回は中編をお送りいたします!
▶️前編の記事はこちら
(※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。)
ーー中村さんは、digzymeで働いていて、どんなところにやりがいを感じますか?
新しい技術を現実の課題に適用しながら、足りない部分を開発したり
アップデートしていったりするところにやりがいを感じます。
例えば、digzyme Spotlight™(酵素機能改良プラットフォーム,以下、Spotlight)の開発も、AI、機械学習を用いて酵素を改良しようという
試みを実践している存在が
世の中でほぼ皆無ななか、行っていました。
それまでも、一般的には酵素の立体構造をみて、
「基質と相互作用するタンパク質の場所を変えたら、基質にも影響はあるだろうから変えて、活性をあげましょう」
というような研究はされていたんですけれども。
ーー機械学習を用いてという手法は、一般的に
とられていなかったわけですね。
はい。
それでも、酵素の性能が足りないので
もっとよくしたいというオーダーは多くて、
酵素業界全体の課題だったんです。
何かの課題に直面して解決していくという作業が
僕は好きなので、
「digzymeだったら、活性を上げる変異体を
AIで予測してデザインできそう」
という議論をしながらプログラムを作って、開発していく過程に
とてもやりがいを感じました。
ーーSpotlightの開発ケースは相当やりがいに繋がったということですね。
そうですね。
でも、課題そのものは、小さい規模でも大きい規模でも楽しいんですよ。
Spotlightのケースはちょっと大きめですけど・・・
日々出てくるちょっとした『これってめんどくさいよね』みたいなものを
直して、上手くまわるようになっていく過程自体がとても好きです。
どんな規模でも、新規で技術開発して課題を解決していく『改良』というところにやりがいを感じます。
ーーなるほど。大小問わず課題を解決することにやりがいを感じる中村さんに、digzymeは支えられているんですね!
せっかくなので、この流れでSpotlightの独自性についても
触れてみたいのですが・・・
開発メンバーがそれぞれの経歴を存分に活かしたからこそ
仕上げられたプラットフォームだと耳にしています。
ちょっと詳しく教えていただけますか。
Spotlightは酵素について、機械学習のアルゴリズムで
「こういう風にやったら、変えるべき場所が予測できるだろう」
というプログラムです。
僕は学生時代はもちろん、製薬会社のなかでも
機械学習の研究をずっとやっていたので、その知識を活かして。
配列に詳しいメンバーとしては渡来さんや彦有さん(※注8:Informatics Specialist 鈴木彦有さん)。
彼らはゲノムとして遺伝子、タンパク質配列を解析するということを
研究室でずっとやっていたので。
あとは田村さん(注9:Informatics Specialist 田村 康一さん)ですね。
彼は立体構造のデータにすごく詳しいんです。
なので、配列と立体構造のデータに詳しい、渡来さん、彦有さん、
田村さんの三人に、どういう特徴を学習させたらいいだろう
ということを考えてもらって、僕の方では
「機械学習のモデルにはこういうやり方がありますよね」
ということを考えて、最終的には礒崎に実装をしてもらって、
仕上がったんです。
ーーなるほど。まさに『叡知を結集』という感じで感慨深いです。
たくさんお聞きできたので、次は仕事で苦労したことや、
乗り越えられたキッカケについて伺っても良いですか?
苦労というか、採用活動は結構大変だなと感じながら行なってきました。
会社にとっても、また、採用される個人の人生にとっても、
大きいことですしね。重たいことだな、という認識があります。
そんななか、digzymeの未来を担っていただく人材の採用に関して
どう判断したら・・・というところを、かなり悩みながらやってきました。
幾度かの採用活動を経て、最近はようやくコツを掴んだ感じがあります。
渡来さんは、面接時における質問の内容など、採用活動が上手な印象があるので・・・そこは真似させていただいて。
ーーなるほど。ちなみにどんなかたを採用することが多いですか?
やっぱり、話していて違和感がない人・・・これは絶対ですね。
こちらの質問に対して想像の範囲の回答はもちろん、そこを超えた範囲で応えてくださるかたは、前向きに採用したいなという気持ちになります。
逆に、思っていたよりも二手三手後ろで止まっている回答をなさる場合は、
ちょっと難しいかな、とは思っています。
また、トラブルシューティングが上手な方であることが望ましいです。
特にWETの研究は、失敗がつきもの。
DRYはなにかうまくいかなかった時にすぐやり直せますし、
僕自身がアイデアを出しやすい分野でもあるのですが
WETの実験はやり直そうと思った時に『また1週間失くなります』
・・・とかなるわけです。
さらに正直なところ、僕自身がWETにそこまで詳しいわけじゃないので
なにか上手くいかなかった時に
「じゃあどうしたらいいと思いますか」
と一緒に考えるフェーズにおいて、やっぱり僕以上に詳しくて、
ご自身で考えて動けるかたがいらっしゃると嬉しいです。
実験的なトラブルが出ることは本当に多々あるので、
しっかり対処できるかという・・・
過去に失敗したケースにどう対応したかなどを伺い、
トラブルシューティングが上手な方を採用できるように努めています。
ーーなるほど。教えていただきありがとうございます。
WETのお話が出ましたが、そうしてメンバーを採用してきたからこそ、
digzymeのWETの強みって、あれだけすごいんですね。
そうですね。
digzymeのWETに関しては『意外となんでもできる』のが強み、だと思っています。例えば
「こういう酵素の評価をしたいです」
となったときに、
論文を読みながら開発をして、試して、実際に発現させて
評価をして・・・ということをやっていくわけなんですけれど、
それって、もちろんちゃんと『研究ができる』方じゃないと難しくて。
例えば、僕が軽く論文読んで追試してくださいって言われて、
『実験してみよう!』って軽々できることではないんですよね笑
そこを自然にこなせてるっていうのは、実はものすごくレベルの高いことなんです。
逆にいうと、うちがDRYで解析したものをWETの操作が理由でこれ以上進めません、ということはほぼないです。
サラッと言っていますが、これも実はものすごいことです。
ただ、技術はとても高いのですが、リソース的に強いか・・・というところはそうでもなくて、いろんな企業さんとかアカデミアの先生がいらっしゃいますけど、そこと比べるとやっぱり、
『特別な微生物株を持っています』とか『特別な遺伝子組み換えが技術があります』とかではなく、あくまで使っているのは公開されているものと同じものを使っているので。
リソース的な強さは正直ないですけど、
人員的な研究員としての能力はとても強いと自負しています。
ーーなるほど。心強いですね。
はい。
ちなみにDRYって『因果関係はわからない』ものなんです。
どっちが理由で、どっちが結果か?っていうことに関して
わからない部分が多いので、僕らが酵素の解析をするときも
偽陽性についても考慮しながら進めます。
そこですごく可能性の高いところまで絞っていくのですが、
そのあとはWETの技術の高さにとても支えられています。
例えば大腸菌を使うにしても、1株だけじゃなくて何株も用意して
別の生物も色々用意して・・・など、
潜り抜けて実験していく技術がとても優れているので、ありがたいです。
※いよいよ後編に続きます!
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