【社員インタビュー】インフォマティクススペシャリスト 鈴木彦有さん(2/3)
株式会社digzymeの社員インタビューコンテンツ『digzyme Deep Dive』。
今回もインフォマティクススペシャリストの鈴木 彦有 さんへのインタビューです。
中編にあたる今回は、どんな話題が飛び出すでしょうか。
最後まで是非ご覧ください!
(※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。なお、鈴木彦有さんは社内で下のお名前で呼ばれているので、今回の記事内でも呼称を『彦有さん』とさせていただいております。)
ーーdigzymeで働いていて、どんなところにやりがいを感じますか?
やはり、開発した成果が直接、お客様にとっての新たな価値や当社にとっての利益を生み出すための手段として使われる可能性が高いところですね。
『世の中のニーズに応えられるかのテスト』という側面からのPoC後も、ずっと長くお付き合いくださっているお客様も多いです。
秘密保持上多くは語れませんが、digzymeとのシナジー効果が大きいと感じていただけているのかな、と。
今後もニーズに対して新しい価値を提供して、貢献していきたい気持ちがあります。
ーー彦有さんは、digzymeだからこそできる新しい価値の提供についてどのようにお考えですか?
前編でお話しした前職の話とも重複しますが、酵素に関わる様々な遺伝子の情報が、ビッグデータとして既に存在しています。
その中には、配列は取られているけど機能がよくわかっていないものが大量にある。
配列を取っている=天然に存在している=判っていないだけで、何かしらの機能を持っている、ということで、人類にとって有用な反応を触媒できるような酵素がまだまだ沢山存在する可能性があるということ。
それをどうやって探し当てるか?というときに、一個一個実験をして探していくのは到底無理ですので。
最初に『この辺にありそうです』という絞り込む作業を計算機上で行い・・・もちろん最後は実験をしなければいけませんが、なるべく少ない実験のなかで当てられる確率が高くなるようにしていく。
ですから最初に絞り込む作業ってすごく重要ですし、digzymeの技術の本質はそこにあります。
我々が掲げる『世界を変える酵素を、迎えにいこう。』のミッション通り、
これからもビッグデータのなかにある宝の山を発掘して、迎えに行きたいですね。
ーーdigzymeの技術の本質、掲げるミッションに関しても触れていただき
ありがとうございます!
ちなみになのですが、配列は取られているけど機能がよくわからないものが、ビッグデータ上に大量に登録されている背景に関しても教えていただけますか?
もともとは個々の研究者たちが研究している遺伝子の配列を登録することに始まり、それをあとで第三者が検証したり、検証とは別に、他の研究に再利用して使えるようにしていたんですね。
ところが、DNAの塩基配列を解読するシーケンスの技術が飛躍的に向上したため事情が一気に変わってしまいました。
特に2010年代からは次世代シーケンサーと呼ばれる解読装置が普及 してきてしまったため、それまでとはうって変わって、安価に大量の塩基配列を解読できるようになり ました。
なので、今までは目的の遺伝子だけを狙ってPCR法などで増やしてから塩基配列を読むのが普通だったんですけれど、そうやって特定の遺伝子を増やして読むのではなくて、『ゲノム全体を読んじゃいましょう!』とか『転写されているRNAを全て読みましょう!』といった感じで『とりあえず全部読む!』ということができちゃう時代に突入してしまったわけです。
そうすると大量に読みまくったデータが、どんどん溜まり続けていくんですよね、いろんな生き物で。
これらに関して、もちろん別の研究に流用できる期待値が高いデータだという側面はあるものの、データを取った人たちは結局、自分の研究に関わる部分しか見ないというか見れないことが多いです。
一方で、長年研究をしていると、別の研究で取られたあるデータについて、自分の研究にとって有用かどうかという視点で見てると『使える』ということはよくあります。
なので、digzymeも研究者ならではの視点でデータの再利用性に着目するという発想に辿り着きました。
これからも、まだ開拓されていないニーズに対して、将来的に応えられる可能性があるデータを埋もれているところから掘り起こす企業活動をしていきます。
※後編に続きます!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?