フルリモートでも強いチームを! デジタルキューブの Backlog 活用術
どうも、デジタルキューブグループ 広報のタカバシです。
デジタルキューブは2006年の創業以来、フルリモートワークを実践してきました。その中で、物理的に離れた状態でもチームワークを発揮して、仕事の成果を上げ続けていくためにどうしたらいいのか、そんな課題感がありました。そこで私たちが見出した解決策のひとつが、プロジェクト管理ツール Backlog の徹底活用です。
先日、人材開発担当の恩田さんが Backlog スイーパーとして、フルリモートワーク環境下での Backlog 活用についてインタビューを受けました。まだ、ご覧になっていない方はぜひそちらもお読みいただければと思います。
今回は上記のインタビューでは語られなかったデジタルキューブならではの Backlog 活用法について掘り下げてみたいと思います。
多くの企業では、Backlog をプロジェクトのタスク管理ツールとして使用していると思いますが、デジタルキューブではその枠を超えた活用を行っています。私たちは「Getting Things Done(GTD)※」の考え方に近い方法で、大きなプロジェクトだけでなく、日常の小さなタスクや気になったことまで、すべてを Backlog で管理しています。
Backlog は様々な業界・職種で使われているプロジェクト管理ツールです。主な機能は…
・タスク管理
プロジェクトごとにタスクを作成し、担当者、期限、優先度などを設定できます。タスクの進捗状況も一目で確認可能です。
・ガントチャート
プロジェクトの全体像を視覚的に把握できるガントチャート機能。タスクの依存関係や進捗状況を簡単に確認できます。
・Wiki
プロジェクトに関する情報やナレッジを共有するための Wiki 機能。チーム内での情報共有が容易になります。
などです。他にもカンバンボードやソースコードのバージョン管理もできたり、最近ではリアルタイムで同時編集ができるドキュメント機能もできたりと、豊富な機能があります。Backlog は有料の SaaS なこともあり、基本的にプロジェクト管理に使うものだと思いますが、デジタルキューブでは一般的にプロジェクトには該当しないような業務もタスクとして管理しています。その中には日報も含まれています。
つまり、あらゆる業務を Backlog で管理することで、フルリモート環境下でのプロジェクト管理と業務管理を効率的に行っています。
Backlog による日報管理で日々の業務をスマートに
リモートワークでは、日々の業務の可視化が特に重要です。デジタルキューブでは、日報も Backlog で管理しています。通常はプロジェクトやサービスごとに Backlog プロジェクトを作成して管理していますが、それらとは別で日報専用のプロジェクトを作っています。
日報専用のプロジェクトを作るメリットは以下の通りです。
全社員のその日の業務と進捗が Backlog で確認可能
日報作成自体がタスクとなり、確実な実施を促進
過去の日報(課題や良かった点を含む)を簡単に参照でき、業務の振り返りが容易に
「日報プロジェクト」では、以下のようなテンプレートをつくり、それに沿った形で更新をしています。
今日の目標 / 予定
Fact(業務内容 - 事実)
Keep (よかった点、うまくいった点、継続すること)
Problem(問題点、うまくいかなかった点、次はやらないこと)
Try(Nextアクション、改善点、次回チャレンジすること)
ある程度、運用は個人の裁量となっていますが、僕は 1 を始業時に記入をして、2 は業務の切り替わりのタイミング等に記入、3〜5 は終業時までに書いています。
テンプレートは、Backlog の左メニュー「プロジェクト設定」>「種別」>「種別の追加」>「課題テンプレート」から設定できます。
詳しくはこちら👉️課題のテンプレートについて
このテンプレートを使用することで、単なる業務報告だけでなく、自己反省や改善点の共有も行えますし、他のメンバーの日報を読むことで、部署を超えた情報共有や相互理解にもつながります。
あと、次の日にやることを書いておくことで、タスクと優先順位がある程度明確な状態で仕事を始められる、というのは結構大きなメリットだと感じています。個人的には、とくに連休明けにその効果を実感していて、業務の助走が短くて済みます。
Backlog で日報管理をはじめたきっかけは?
僕は2023年10月からデジタルキューブで働いていますが(そろそろ1年!)、その時にはまだ全社的に Backlog で日報をつけるという習慣はありませんでした。振り返ってみると、僕の最初の日報は10月16日で(意外と早かった!)、その時の項目は「今日の予定」「業務内容」「明日の予定」の3つで今の形では無かったんですよね。まだ1年も経っていないのに結構忘れているものですね。
そこで当時 Backlog を使った日報管理を提案した岡本さんに、きっかけなどを訊いてみました。
── Backlog で日報管理をはじめたきっかけは?
元々は、数年前から Backlog のタスク管理を徹底しようというチーム内での動きがあって、それが効果的だったという経験がありました。
以前のデジタルキューブは人数も少なく個別作業が中心でしたが、いろいろなクライアントの仕事をしたり、プロジェクトを複数人で進めたり、個人での管理が難しくなってきました。また、メンバーによってタスクの管理方法にも差があったので、チーム全体でタスクを可視化し、進捗を共有する必要があると考えました。
最初は、僕がひとりでチーム全体のタスクをチェックしていました。その前には、bot を使って自動的に期限切れのタスクを通知する仕組みも試してみたんですが、誰も bot の通知を気にしなくなってしまって、効果がありませんでした。
── あぁ…
そこで、人事担当の恩田さんが以前行っていた Backlogポリス(≒Backlog スイーパー)を復活させることにしました。その際、誰か一人が担当して行うのではなく、チーム内で当番制にすることによって、全員がタスク管理に関与し、お互いの進捗状況を把握できるようになると考えたんです。
ここからチーム全体で Backlog のタスク管理を実施するようになりました。当時はまだマネージャー職がなく、一人親方的な働き方をしていた組織が、より協調的な体制に移行していく過程での取り組みだったと言えます。
── 効果はいかがでしたか?
チームメンバー全員が他のメンバーの仕事を把握できるようになった点が大きくて、作業の偏りを防いだり、助け合いの機会が増えたりしました。
さらに最近は社員が増えてきたり、これまでに無かった部門ができたこともあって、皆さんの日報を Backlog で管理することで、同様の効果が得られるのではないかと考えました。
── そのタイミングが僕が入社した2023年10月だったんですね。
当初の日報はシンプルなものでしたが、代表の小賀さんが「せっかくなら振り返りもしっかりやろう」という提案をしてくれて、FKPT(Fact、Keep、Problem、Try)形式(※)を取り入れることになりました。これで、単なるタスクの進捗報告だけでなく、メンバー各自の気づきや次の行動計画まで含めた、より充実した日報になりました。
── なるほど。ついでに、Backlogでのタスク管理で気をつけるべきことを教えてもらえますか?
重要なのは、タスクの最適化です。大きな課題をそのまま1つのタスクにするのではなく、できるだけ細分化します。これには親子課題の構造を利用します。
例えば、お客様から要望があった場合、それを1つの親課題として作成し、その下に具体的な作業を子課題として細かく分けていきます。こうすることで、進捗が見やすくなり、また途中で顧客から別の要望が出てきた場合にも、新たな子課題として追加するだけで対応できます。
これは特に重要で、1つの課題の中でお客様が全然違う話を始めることがよくあるんです。そういう場合、「それはこの課題ではなく、別の課題として管理しましょう」と提案しています。そうしないと、いつまでも終わらない真っ赤な課題になってしまい、進捗管理が難しくなります。「このチケットの終着点はどこか」を常に意識するようにしています。
── 終着駅のわからない切符を握りしめたままではいけない… よくわかりました。ありがとうございました!
AI によるサポートで日報のインテリジェント化ができないだろうか?
岡本さんの話を聞いて、「タスクのチェック&リマインダー機能があればうまくいく」というわけではなく、それに加えて、もうひと手間、ひと工夫が必要なんだと思いました。それにしても、bot からのリマインドをスルーしちゃうのって(僕も心当たりがあるのですが…)なぜなんでしょうね。コメントに変化が無いからでしょうか。
そんな課題感も踏まえて、今後は AI によるタスク管理の改善提案や日々のモチベーションアップにつながる仕組み作りができないか、考えてみたいと思います。日々の Keep (よかった点、継続すること)や Problem(問題点、次はやらないこと)、Try(改善点、次回チャレンジすること)の経過を追って、それに対するフォローやアドバイス、リマインドを AI がやってくれたら… つまり Fact のリマインドだけではなく、予測や解析なども含むデータが付いてくるとスルーできないのではないかと思ったり…
ということで、リモートワークの成功は、単にツールを導入するだけでは達成できません。しかし、Backlog のような柔軟なツールを、日報管理を含む幅広い用途で活用することで、オフィスで働く以上のメリットを得られる可能性があります。また、リモートワークに関する課題を解決することが次の一歩になることもありそうです。私たちデジタルキューブは、これからも Backlog 等を活用したフルリモートワークの可能性を追求し、新しい働き方のモデルを提示していきたいと考えています。
皆さまの組織でも、私たちの Backlog を活用した日報管理の取り組みを参考にしていただければ幸いです。
それでは、また。