OM SYSTEMの生きる道
1.「OM-1」が話題に
オリンパスから分離したデジカメ部門の「OM SYSTEM」から出た「OM-1」は、その名前を含めて話題になっているようだ。
今月発売のカメラ雑誌でもページを割いて紹介されている。
2.私のオリンパスユーザー歴
「OM-1」の発売の記事の中で書き忘れたが、実は私は、マイクロフォーサーズユーザでもあった。
撮影にメインで使っているのは、noteでよく取り上げているX-T4をはじめとする富士フイルムのXマウントだが、その前は、ソニーのα7IIを使っていた。
ソニーEマウントのレンズもそれなりに揃えていたが、単焦点レンズの重厚長大さ(当時)に嫌気がさして、「小型軽量の単焦点レンズが充実しているXマウントに移ろう」と乗り換えた。
その前に「フルサイズのEマウントと併用しよう」と思い「OM-D E-M1」と数本のレンズを使っていた時期がある。
元々、E-1の頃からのオリンパスユーザーだった。そのため、オリンパスのカメラ・レンズの良さはわかっていたので、あまり抵抗なく出戻った。当時は「PEN」シリーズもそれなりに勢いがあり、F1.8シリーズとか、安価で軽量なレンズも多く、マイクロフォーサーズも活気があった。
ただ、イメージセンサーが小さいことで背景がボケないことに物足りなさを感じ、システムトータルの重さとボケのバランスが取れているAPS-CサイズのXマウントに集約した。
その頃、カメラに興味を持った息子が「欲しい」と言うので、OM-D E-M1とレンズ数本を貸してやり、そのままになって現在に至る。
息子も、最近は使っていないみたいなので、返してもらえば使えるはずだが、どちらにしても2つのマウントを維持するのは経済的に難しいし、中庸のAPS-Cサイズを気に入っているので、ボディーやレンズを増やすことはないと思っている。
3.OM SYSTEMの今後は厳しい
そんなわけで、オリンパスとは多少の縁がある私だが、正直言って、OM SYSTEMの今後は厳しいと思うという話は前回書いた。
ビジネス的に厳しいからオリンパスも手放したのだろう。
カメラのデジタル化が始まった頃から変わらない話だが、ユーザーは意外に保守的である。
デジタル化については、利便性やコストの面でのメリットが大きく、一気に進んだが、カメラ自体のデザイン・サイズに関しては、それほど変わっていない。
デジタル化されれば、フィルムを入れるスペースは不要なので、自由なデザインが可能になるはずだが、片方のボディ(左手側の部分)を切り落としたような先進的なデザインは結局市場に受け入れられなかった。(それこそE-1とか)
ミラーレスになってからでも、昔の一眼レフカメラらしいレンズが中心にあってペンタミラー部がある軍艦部がついたデザインに回帰してしまう。イメージセンサーにしても、レンズ資産の問題があるとしても、特に根拠なく35mmフルサイズが「スタンダード」として定着してしまった。
4.OM SYSTEMの生き残る方法
そんな状態の保守的なカメラ市場で、OM SYSTEMが生き残る道は、次の3つだと思う。
(1)小型軽量で高性能なカメラ
正直言って今回の「OM-1」を含めたフラッグシップ機は、「高級そうに見せるためにサイズを大きくする必要がある」と無理矢理に他のメーカーのフラグシップ機と同じ大きさ・重さにしたのではないかと思えてしまう。
そういうのをありがたがる人はいると思うが、そういう人はフルサイズ機に行ってしまうと思う。
OM-D E-M5程度のサイズで、防塵防滴で高性能なカメラを作り、他とは違うベクトルで生き残りを図って欲しい。
(2)超コンパクトなカメラ
DMC GM1のような超小型カメラなら、高級コンパクト機と同じく一定の市場があるのではないか?
EVFはなくてもいいので、ペンタックスのAUTO110やオリンパスのX-Aみたいなカメラが欲しい。防塵防水でなくてもいいが、手ぶれ補正機能は載せて欲しい。
(3)ズイコーレンズを他のマウントで展開
禁じ手かもしれないが、サードバーティーのレンズメーカーとしてズイコーブランドで、フルサイズかAPC-Sサイズのイメージセンサーをカバーする交換レンズを発売する。
富士フイルムのXマウントとパナソニックのLマウントには参入できる気がするが、オールドファンとしてはニコンのZマウントやキヤノンのRマウントに旧OLYMPUSのズイコーレンズが付くと思うとワクワクする。