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ダイレクトリクルーティングは本当に工数がかかる採用手法なのか?

みなさんこんにちは、DigHRの松下です。

ひと昔前までは、ダイレクトリクルーティングって何?っていう状態だったと思うのですが、最近では多くの企業が当たり前のように取り入れる採用手法になりましたよね。

新卒採用媒体でも、ダイレクトリクルーティングをメインとする媒体が増えてきました。

・CheerCareer
・Offerbox
・キミスカ...etc

私の会社でも、ダイレクトリクルーティングは主力の採用手法として、ガッツリ機能しています。

ただ、最近良く耳にするのですが、
「ダイレクトリクルーティング = 工数がかかる採用手法」という話。

もちろん、今まで採用媒体に出稿するだけで、採用要件に合う人材が来ていた会社からすれば、「単純にスカウトメールを送る仕事が増えただけ」と思われても仕方がありません。

しかし、人材の売り手市場の時代に、採用媒体に出稿するだけで、採用要件に合う人材が勝手に来てくれる会社というのは、ごくごく一部なのではないでしょうか?

こちらからアプローチしないと人材を獲得できない会社にとって、ダイレクトリクルーティングは魅力的な一つだと考えています。

ダイレクトリクルーティングは、今後ますます発展していく機能だと思います。

そこで今回は、逆説的な立場で、「ダイレクトリクルーティング = 1/1採用に近づけるための効率的な採用手法である」という話をしていこうと思います。

かくいう私の所属する会社でも、23卒を15名採用しましたが、全てダイレクトリクルーティングによる採用になります。

活用している採用媒体はCheerCareerただ一つ。
https://cheercareer.jp/

また、弊社の組織では専任の人事はおらず、他の業務も兼任しながら採用業務を進めています。

それでは本題に入っていきましょう

ダイレクトリクルーティングに工数がかかる原因

■ 採用要件が曖昧になっている

採用要件は、人事施策を考える上で必要可否の基準となる根幹の部分になります。
一般的に、ダイレクトリクルーティングでは、

採用要件の分析 → 競合調査 → ターゲット設定 → ペルソナ定義 → スカウトのピックアップ要件定義 → スカウトタイトルの作成 → スカウト文章の作成 ….
といったように進めていきますが、採用要件がブレブレだと、
それ以下が全て曖昧なまま進んでしまいます。

例えば、以下のような採用要件は、よくある失敗例です。
 (結構ベンチャーだとよくあるような採用要件ですよね)

「体育会系、コミュニケーション能力がある、地頭がいい、素直、負けず嫌い」

おそらく、こういった採用要件で進めている企業でも、実際に面接で深堀りしていくと、
「なんかこの就活生、ウチに合わなそうだな」

と感じて上記の要件には入っているが、選考で落とすことも良くあると思います。

それは、採用要件の粒度が粗すぎるためです。

上記の採用要件を改善するのであれば、
体育会系
→ チームスポーツなのか個人競技なのか 
→ 具体的に合いそうな部活動は何か

コミュニケーション能力がある 
→ 相手を説得させることが上手いのか
→ 相手の話を聞くことが上手なのか
→ プレゼンが得意なのか

地頭がいい
→ 頭の良さを指しているのか (ある一定の学歴以上)
→ ロジックを立てて説明ができているのか
→ 直感が良いことを指しているのか

こういった具合で、条件をより細分化していくことが必要となります。
その中で、must(必須)の項目やwant(任意)の項目を設定していくことで、より採用要件の精度が高まります。

これをスカウトのピックアップ要件として、1次面接に来てほしい人材が、どこの項目まで満たしていれば、クリアなのかというのを定義付けしていくことで、スカウトの無駄撃ちが減り、効率の良いダイレクトリクルーティングを目指せると思います。

■ スカウトの分析や改善をしていない

返信率などを改善するだけで、全体の必要なスカウト送信数

次に工数がかかってしまっている例は、スカウトの分析と改善をしていない場合です。
スカウトの分析では、開封率、返信率、面談設定率...といった部分を主に分析していく形になりますが、この分析をした後に

・ピックアップ要件
・スカウトタイトル
・スカウト文章

を改善していくことが非常に重要となります。
ダイレクトリクルーティングの場合、企業によっては月間数百通のスカウトを送っていますが、上記3項目をABテストで改善しながらスカウトを最適化していくことで、スカウトの必要な通数の削減や同じスカウト通数で、より多くの母集団を形成することができます。

最低でも月1回、余裕があれば2週間に1回は、分析を行い改善施策に取り組みましょう。

■ 人事部リソースのみで完結させようとしている

業務負荷がかかってしまっている原因としては、人事部だけでダイレクトリクルーティングを完結させようとしてしまっているケースです。

採用は企業運営の根幹です。
これはダイレクトリクルーティングだけに限った話ではありませんが、採用は企業全体で取り組むのが、最も効率良く採用を進めることができます。
また、社内で完結させるのが難しければ、外部リソースを活用するのも検討して良いかもしれません。

対策としては、

・スカウト送信の一部を現場社員と協力して行う
・インターン生と一緒に採用活動に取り組む
・RPOで外部リソースを使いながら、ダイレクトリクルーティングに取り組む

といった形で進めるのが良いかと思います。
弊社の場合は、現場社員にダイレクトリクルーティングや面接業務を手伝ってもらいながら進めています。

全体の業務工数で考えると、むしろ効率的に採用できる

採用媒体に登録している人材は
①採用要件に合っていて、自社に興味を持っている層
②採用要件に合っているが、自社に興味がない層
③採用要件に合っていないが、自社に興味を持っている層
④採用要件に合っていないが、自社に興味がない層

大きくこの4象限に分けられます。

採用における母集団形成において、最も難しいところは、②の層をどう①の層に変えていくのかといったことではないでしょうか?

ダイレクトリクルーティングは、こちらからアプローチする必要があるため、スカウトの送信のために工数が必要になります。しかし、その反面待ちの姿勢の求人媒体では、応募を獲得できないような、②の層からの応募を獲得できるというメリットがあります。
求人で多数の応募があった場合、
その分書類選考、1次選考で工数がかかりますが、ダイレクトリクルーティングの場合、応募獲得以降の、選考の工数を削減できます。

全体の工数を考えると、ダイレクトリクルーティングはやり方次第で、
効率の良い採用手法になり得ると思います。



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