ストレスを消せ③
前回までは、ストレッサーの話を中心にした。今日は人間のカラダについてだ。
人間のカラダは、とてもよくできている。50歳目前にしてはじめて知った。
人間のカラダは、何らかの悪影響を受けた場合、自動的に元に戻そうとしてくれる。別に自分で意識しなくても、だ。これを「生体恒常性」というらしい。なんとなくだが、読んで字の如く感はある。
自動コントロール機能を装備
「暑さ」というストレスに対しては汗を出して体温を下げようとする。逆に「寒さ」というストレスに対しては、筋肉がブルブル震えて体温を上昇させようとする。
また、ウィルスという外敵が体内に入ったときには、免疫機能がそれらを撃退してくれる。
さらに、代謝や消化などは内分泌系がホルモンを出してコントロールしてくれる。
人間のカラダ、すごい。様々な悪影響から身を守るための機能が装備されている。自分で指令を出さなくてい。素晴らしい。
今までの蛮行
こうして考えると、自ら進んで悪影響を取り込んでた私は、本当に大馬鹿だったと思う。今までの蛮行を自分の体に謝りたい。
学生時代は、浴びるほどビールを飲んで胃や肝臓に死ぬほど負担をかけた。社会人になったら毎日深夜まで仕事したあと朝まで酒を飲み、自律神経の機能を破壊すべく無茶苦茶な生活をしてた。タバコもバンバン吸ってたし、食べ物だって好きなものを好きなだけ食っていた。夜中にラーメンや、ケーキを食べ、コーヒーを嗜んでもいた。
何より、仕事のためなら進んで身を削った。それがカッコいいと思ってた。美学でもあった。
アホか・・・と。
内分泌系/自律神経系/免疫系の3者に対して土下座だ。残りの人生は、今までの悪行を反省し、体に負担をかけない生き方をしていこうと思う。「健康に気をつける」というケアマインドじゃなく「体に負担をかけないために、場面場面で何をするか」という具体的なアクションで応えていこうと思う。
ストレスの話からだいぶ遠くなったようだが、大事な話につながっている。
優秀な3機能
脳がストレスを感知すると、3箇所に信号が送られ、体を元の状態に戻そうとする。
1)内分泌系:ホルモン分泌をつかさどる
2)自律神経:からだの働きを調整する
3)免疫系:外部から侵入する異物から守る
この3機能が人間を一定の状態に保ってくれる。ストレスに対抗する際に中心的な役割を果たすのが自律神経だ。自律神経は、生きてくために必要な呼吸や心拍、血圧などを自動的に調整する機能。ちなみにこれらは自分の意思ではコントロールできない。自律神経が制御する心拍数や呼吸数は意思の力ではどうにもならないことは、皆さんもわかるはず。
で、これら3つの機能をまとめて「ホメオスタシス=生体恒常性」と呼ぶが、過度なストレスで上手く機能しなくなる。蛮行ばかりの愚かな私に対しても、ちゃんと機能してくれていた優秀な3者だが、過度なストレスには弱い。自立神経が機能不全になり、ホルモンバランスを崩し、免疫力の低下も引き起こす。
まさに、サイアクの事態だ。
免疫力低下が招く病気
ちなみに、私は32歳のとき、激務による極度の睡眠不足の中、海外で外国企業の要人に突然プレゼンさせられるという仕事があった(英語は全く話せないので逐語通訳)。そのプレゼンを終えた直後に現地で倒れ、帰国後髄膜炎と判明。1ヶ月の入院生活と1ヶ月の自宅療養を余儀なくされた。髄膜炎は、免疫力が低下した際に罹患する典型的な病気だと、当時の医師から聞いた。
睡眠不足の慢性化という軽度ストレッサーの蓄積と、極度の緊張状態という強度なストレッサーが掛け算となって、過度なストレスが発生。それが免疫力を著しく低下させたのだろう。
このときは、免疫低下によるフィジカル的なダメージだったが、その後10年以上たってから、遂にストレスによるメンタル的ダメージも受けてしまう。
つづく・・・
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