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日本の健康づくり対策~食環境改善の取り組み~

こんにちは。管理栄養士のTany.(タニィ)です。
食と健康に関する、小難しい国の基準や法令をわかりやすく伝えていきます。

今回は、少し息抜きテーマです。
健康日本21の食に関する環境の改善にどのようなものがあるのか、具体例を挙げていきたいと思います。

前回のおさらいですが、健康日本21の栄養・食生活分野の目標の中で、社会環境の改善目標は大きく分けて2つありました。

① 食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業及び飲食店の登録数の増加

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② 利用者に応じた食事の計画、調理及び栄養の評価、改善を実施している特定給食施設の割合の増加

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この中で②は規定されている給食施設の話なので、食べる側としては選択の余地があまりありません。
例えば入院しているのであれば、その病院で調理・栄養管理等された給食を食べることになります。
栄養士を配置している施設じゃないから食べない、という選択は基本的にしないと思います。
ですので、①のような、食品メーカーや飲食店等を利用するときのことをイメージして書いていきたいと思います。

目標には食品中の塩分や脂肪の低減に取り組む企業や飲食店の数を増やしていくことを掲げています。
しかし当初は、塩分や脂肪をどのくらい減らしたら「低減した」ということになるのか?の基準が決まっていませんでした。
そこから現在、「低減した」の定義が「従来品と比べ10%以上低減を行っていること」と決まり、進められています。
国としては塩分や脂肪の低減を掲げていますが、実際の取り組みは減塩が多いです。

今回は厚生労働省が平成24年から行っている、「健康寿命をのばそう!アワード」の中から減塩やヘルシーメニューの提供に力を入れている企業や自治体の取り組みを中心に紹介したいと思います。

(1)減塩商品の開発と販売活動の推進
(第1回 厚生労働省健康局長 優良賞 企業部門:一正蒲鉾株式会社)
かまぼこなどの練りものは魚肉に塩を加えて身の弾力性をつくっていますが、塩分が多いイメージを持っている方が多いかもしれません。商品開発により主力製品の塩分を30%以上カットするということと、季節に合わせたメニュー提案を併せて行うことでより家庭料理に取り入れやすくなったかと思います。
https://www.ichimasa.co.jp/products/genen/

減塩を強調している商品は以下のデータにもまとめられています。
https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist.pdf
日本高血圧学会 減塩委員会 「JSH減塩食品リスト」

(2)こっそり減塩の推進
(第9回 厚生労働大臣 最優秀賞:株式会社ファミリーマート)
前回のnoteで、「食習慣の改善に関心はあるけれども改善する気はない」方が約4人に1人いて、食習慣の改善の妨げになる理由は「忙しくて時間がない」「面倒くさい」が多い、ということを書きました。


ファミリーマートでは「減塩和風ドレッシング」をはじめ、弁当、総菜等28種類の減塩商品を販売していますが、
商品パッケージに「減塩」とほとんど表示していないことが、健康にあまり関心のない層にも「こっそり」影響してくるのではないかと思います。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/9thaward_besshi2.pdf
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2020/20201203_01.html

またファミリーマートでは、スマートミール認証を受けたお弁当として販売されているものもあります。

スマートミールとは?
健康日本21での個人の栄養・食生活の取組目標の一つに、主食・主菜・副菜の3種類そろった食事を摂る、ということがあります。
現在外食、中食を利用する人が増えてきていることから、2018年にスマートライフプロジェクトの中でスマートミールの認証制度をつくり、消費者がヘルシーメニューを選びやすい環境づくりをしています。

http://smartmeal.jp/index.html
「健康な食事・食環境」認証制度

このロゴが目印です。

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スマートミールの認証基準はこちらです。

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「ちゃんと」「しっかり」の2種類があり、その他必須項目を満たしているか、オプション項目も含めて何個クリアしているかによって☆が1つから3つが認証されます。

主食・主菜・副菜がそろっていて、かつ野菜が一日の目標量の1/3以上、食塩もほどほどに抑えられている、ヘルシーメニューです。

2018年に認証制度が始まってから2020年8月までに認証を受けた事業者数は全国で419です。
事業者数としてはまだ少ないかもしれませんが、ファミリーマートのような全国に店舗がある企業が入ってくることで、スマートミールが身近なものになる日もそう遠くないかもしれません。
全国マップURLがあるので、お住まいの近くでスマートミールを販売しているところをぜひ探してみてください。
http://smartmeal.jp/cn4/pg3462.html#map

(3)住んでいるだけで自ずと健康になるまち
あだちくベジタベライフ~そうだ、野菜をたべよう~
(第6回 厚生労働省健康局長 優良賞 自治体部門:足立区(東京都))
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/renrakukai02/mat03_1.pdf
「あだちベジタベライフ協力店」 約800店舗
・もとから野菜がたっぷり入ったメニューの提供
・べジ・ファースト(野菜料理から提供)メニューの提供 等

他の自治体でも、「健康づくり応援店」のような認証店があったり、ステッカーが貼ってあったりするので、新型コロナ感染防止対策をしているお店かどうかをチェックするついでに見つけてみてくださいね。
ちなみに大阪府では「うちのお店も健康づくり応援団」ステッカーを飲食店でたまに見かけます。

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現在の食環境の整備は全体的な傾向としては、「こっそり」「自ずと健康」等の、気づいたら健康生活をしていた、という仕組みを作ることに力を入れているように思います。

以上、参考なれば嬉しいです。

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≪参考資料≫

厚生労働省HP内、健康日本21(第二次)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html

令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

スマート・ライフ・プロジェクト(栄養・食生活)
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/disease/nutrition/

一正蒲鉾株式会社
https://www.ichimasa.co.jp/products/genen/

日本高血圧学会 減塩委員会 「JSH減塩食品リスト」
https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist.pdf

ファミリーマート株式会社の健康寿命をのばそう!アワード関連記事
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/9thaward_besshi2.pdf
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2020/20201203_01.html

「健康な食事・食環境」認証制度 スマートミール
http://smartmeal.jp/index.html
http://smartmeal.jp/cn4/pg3462.html#map(全国MAP)

東京都足立区 あだちくベジタベライフ関連資料
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/renrakukai02/mat03_1.pdf


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