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「ハロルドが笑うその日まで」「IKEA」に呑まれた高級家具店!大富豪と大貧民どっちが幸せか。
監督:グンナル・ヴィケネ/2014年/ノルウェー、スウェーデン
あらすじ
家具の職人ハロルドは認知症を患ってる妻のマルニィと老舗を守ってきた。しかし真隣に世界規模の大手家具チェーン「IKEA」が建てられハロルドの店は閉店。
そして精神的に追い詰められ、心労が原因で妻を失くしてしまう。
大事なものをいっぺんに無くしたハロルドは怒り狂い「IKEA」の創業者であるイングヴァル・カンプラードの誘拐を企む。
幸せなのか、苦しいのか
私は「IKEA」の家具が大好きで、低コストや質に関しても特に違和感を感じることはない。家具の使い捨ては当たり前だと思っている。
一方で高級家具は大衆を嫌い、わかる人にしかわからない世界で成り立っている。だからハロルドの店が潰れたのは一概に「IKEA」の店が原因とは言えないのではないだろうか?
だが、イングヴァル・カンプラードは「IKEA」創業時にとてつもないバッシングを受けていた。「伝統をぶっ壊す行為だ!」と。
ハロルドもその1人であって、ただの逆恨みである。
カンプラードを誘拐したハロルドはカメラを回しながら謝罪文を読ませようとするなど、愚かな行為を取ってしまう。
しかしカンプラードといる時間が増すにつれ、冷静になっていくハロルドはカンプラードを解放し「IKEA」に送っていく。
しかしカンプラードはハロルドに今まで言われてきたバッシングの事を告げていく内にヒートアップして「IKEA」を燃やそうとする。
ハロルドはつい助けてしまうのだ。そして「IKEA」を後にして自分の不甲斐なさを思い返している内に笑ってしまうのであった。
成功と失敗。どう潰し合うかではなく、どう共存していくかが課題なのだと感じる作品だった。