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シネマ飛龍革命【ファイナルブラッド2】

劇場公開が無くてもフーンで済まされちゃう俳優ジャン・クロード=ヴァン・ダム。
世の中では意識の高いファン発信によって劇場公開を求める署名活動なんてあるわけですが、じゃあ何故ヴァンダムに同じ視線を向けられないんだ!?と遠い目になってしまいますな。

まあ、俺はしないけどな!!


そんな彼氏の最新作の配信が遂に開始された!
それが『ファイナルブラッド2』だ!!

激安なサムネ

2というタイトルからも分かる通り、ヴァンダム主演の『ファイナルブラッド』の第二弾である。
で、気になる前作は、謎のヴァンダムが病院に運び込まれてドンジャラホイ!という、一行であらすじが説明できる実に潔い作品であった。

今ならyoutubeで無料配信中!こっちのサムネも安いぜ!


前作ではピーター・ストーメア、ダニエル・バーンハード、マリア・コンチータ・アロンゾと実に渋め…ぶっちゃけ知らねえ人は全然知らねえ!なキャスティングが集結!
ヴァンダム作品では珍しい、どんでん返しのサスペンス要素があるものの、気が利いているようで全然利いてない絶妙な作品として、レンタル屋の準新作の棚に並んでいた記憶がある。
(記憶してるのは俺だけかもしれんが)
おかげさまでヴァンダム界隈でも『息子クリスとの親子共演があるよ!』以上に語るとこがない、ある意味で喉越しスッキリ!アサヒスーパードライ的な扱いなのだった。

中ボスはヴァンダレイ・シウバ似


まさかの続編発表に「なんでコレで!?」と思わずにはいられなかったのは言うまでもない。
一作目が公開された当時、配給側も「どうせ続編なんてねえだろ」投げやりに邦題にファイナルをつけちゃったであろう事情が伺える。
とはいえ、ファイナルファンタジーも16まで出てるし、そこは許してやってくれ!!
サムネも省エネ感が満点嫌な予感しかないものの、俺もヴァンダムばりに『押忍!』精神で鑑賞させて頂きました。

年末の大掃除ばりに悪党を一掃した大虐殺【ファイナルブラッド】事件が勃発して7年。
生き残りにして張本人のヴァンダム扮するフィリップであったが、今では愛娘とイタリアにて悠々自適に過ごせる住まいを探していた。

前作でフラグがなかった掟破りの娘登場。


とはいえ、彼の物件探しが無事に終わるはずがない。
のっけから挨拶代わりに襲撃を受けるヴァンダム親子であった。
白昼堂々の襲撃にタダならぬものを感じるフィリップであったが、その予感は果たして的中した。
前作で始末したマフィアの弟ウラジミールが仇として親子の命を狙っていたのだ。
刺客の追跡をかわし逃亡を続けるフィリップ親子であったが、遂には彼の地元にも魔の手が迫る。
このままでは無関係のものまで涙を流す羽目になってしまう。
掛け値なしの戦闘マシーンではあるものの、そんな状況を黙って見逃すフィリップではない。
もちろん彼の血を引く娘も押しかけ気味に助っ人を買って出る。
こうしてフィリップ親子による年末悪党総決算セールが再び始まるのであった。

原題はkill em All 2。物騒なタイトルだぜ!!


今のところ、配信のみで視聴可能な本作。
見たからといって、意識がアップデートされたり、映画好きと繋がったり

ズバリ観て何か得するなんてことはない。

でもですね、いちいち映画観る度に考えてばっかもいられないじゃないですか。
えー、なんだ、人生のテーマとか。
つーかそんなもんイチイチ映画で学ぶなよ!日々のリアルな生活で学べよ!!という話だ。
テーマの満漢全席みたいに意識の高い映画の感想でも「色々考えさせられた」で〆る。
そんなお利口ぶったマザファッカの意見を見かける機会が多い。
その度に「何をだよ⁉︎具体的に書けって!この野郎!!」と試合中の越中詩郎ばりにボルテージが上がるが、本作は何も考えさせない。
ある意味で、考えさせられた割りには具体的何も書かない系映画レビュアー(俺とか)にはピッタリな映画である。

回し蹴りもあるよ‼︎


俺がヴァンダム作品との付き合いが深くなったのは、彼が映画の一線級から離れた頃。
Vシネ路線をひた走り続けた2000年代だ。
その頃は、黒い企業で絶賛働きづめだったので、だいぶお世話になった。
具体的にどんな時見ていたかと言えば、脳死寸前になりながら長時間労働し退勤する日。
明日休みだけど特に予定もないし、何かしら映画レンタルしよう!という時に深夜鑑賞する機会が多かった。
確かに何も考えさせないし、なんなら俺の脳死っぷりに拍車がかかる時もあった。
だが1mmも考えさせないけど、クタクタで何も考えたくない時に寄り添ってくれたのがヴァンダム映画だった気がする。
ここ最近、(比較的)気の利いた作品に出ていたヴァンダムだったが、本作の作りはあの頃のバイブスを感じさせてくれた。
なんなら同じ2なら『グラディエーター2英雄を呼ぶ声』を観たほうが、まだ有意義な時間を過ごせることだろう。
毒にも薬にもならぬと人は言うかもしれん。
だが、何も言わずに黙って寄り添ってくれる作品がヴァンダム映画だ。
説教もアップデートもない。

ただ、回し蹴りがあるだけだ。


劇場で観る作品が店屋物としたら、いわばちくわ磯辺揚げの入った海苔弁当の本作。
年末のベスト10なんてやろうもんなら、間違いなくランクインしない作品であろう。
でも、皆さん。
ちくわ磯辺揚げ入りの海苔弁当好きじゃないですか?

そういうことですよ。

つー訳で、ちくわ磯辺揚げ入り海苔弁当映画(?)としては今年一番な作品ですよ。

↓無料な一作目。
絶妙だよ!

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