BTSも良かったね!2021年グラミー賞授賞式の私的ベストパフォーマンスは?
今年も行われたグラミー賞授賞式。
昨年秋のノミネート発表時にまさかのtheWeekndガン無視から始まり、式延期、パフォーマンス者も直前まで発表無しと、通常に比べて結構ゴタゴタ感でなかなか気分的に盛り上がらなかったのですが、終わってみたら例年に比べて良いパフォーマンスが多くて見ごたえのある式でした。
中でも特筆すべきアーティストは
まずはやっぱりBTS。ここ1年彼らのパフォーマンスを観てきて「がっかりだった」とか「過去に比べて落ちる」というパフォーマンスを観たことがないので、BTSについては安心して待ってました。特に今回は念願のグラミー賞ですし。どんなパフォーマンスで来るかと楽しみにしていました。
そしてやっぱりすごく良かったです!!
彼らだけ韓国からの中継だったんですよね。コロナで仕方ないですけど、そんなことは全然問題じゃありませんでした。
セットは完全にロサンゼルスの会場と同じものを作り、すごく華やかな雰囲気でした。
中継ならではの屋上でのパフォーマンスに切り替えるあたりも鮮やかで。
他のアーティストもスタジオのようなライブセットでパフォーマンスしていたので、違和感が全くなく、むしろ開放的な空間で人数の多いBTSらしいスケールの大きなパフォーマンスになったと思います。
全員生歌が完璧でSUGAもダンスしてましたし、プロ根性の塊ですね。本当に凄いと思います。
なぜか公式動画が出てないんですよね。。。
もしグラミーの通常の会場でのライブパフォーマンスになった場合、BTSにはちょっと狭いんじゃないかと心配になるレベル。これには敵わないよ(笑)韓国のアワードの舞台、めちゃめちゃでかくて凄いですよね~。
今回は授賞もなかったので確かにがっかり感もありますが、無駄に毎年グラミー観ていてる私の個人的な感触では、全体的な印象としてBTSはグラミーからは割と好意的な印象に見えました。
受賞もなく式での登場も遅かったので「視聴率の引き延ばしに使われているんじゃないか」っていう意見もあったみたいですが。
確かにその側面も若干あったかもですが、BTSの出番、確かトリ前ぐらいだったんですよね。
今回主要部門のノミネートもなく(そっちの方が問題)、受賞自体もなかったですが、このトリ前枠って過去結構その年注目されているアーティストがパフォーマンスする枠なんですよね。
私の記憶だとフランク・オーシャンとかアーケード・ファイアとか。
先鋭というか。しかもしっかりパフォできるアーティストでないと務まらない枠です。
パフォーマンス後には司会のトレバー・ノアがしっかりBTSについてコメントしてましたし。
また、私が知る限りでは過去に他国から中継したアーティストはこの方だけです。
2008年のAmy Winehouse!
確かAmyの時は彼女のドラッグの問題でアメリカへの入国許可が下りなくて中継になったんですよね。出演させない選択もあったはずなのに中継。それくらいグラミーも出したかったアーティストなんです。
今回、わざわざアーティストが集まっての式にこだわって延期までしたグラミーが中継のような形でBTSをパフォーマンスさせたことは、私にはかなり重宝しているように見えました。
この事はTwitterでツイートしたらプチバズりました(笑)。
他の方も解説されてますが、そもそもアイドルやボーズバンドにはグラミーはかなり厳しい。その中で、主要部門にノミネートしていないアーティストに対してのこの扱いはBTSがどれだけ貴重な存在かわかっている人がスタッフにいたってことだと思います。
それは今回の授賞式の総合プロデューサー、Ben Winstonです。
後にご本人がコメントも出してましたが、この方はアメリカの人気深夜番組「「The Late Late Show With James Corden」」のPDなんですね。
過去数回BTSも出演し、カープールカラオケは最高でした。私がBTSを好きになったきっかけの一つです。
(再生回数もうすぐ1億回いきそうだ。凄い。)
この方が彼らの個性や魅力、プロ根性や能力の高さをよく分かっていた。後にも書きますが、このPDの手腕はBTSに限らず、式全体のパフォーマンスのレベルアップにもつながっていました。
今回は主要部門にノミネートされなかったことを抗議したい。空気読めよ!!!(笑)
TIME誌ですらentertainment of the yearに選んでんだぞ!(笑)
しかし、グラミーは手のひら返しも凄いんですよ〜。スーパーご贔屓なテイラー・スイフトですら好みに合わなかったアルバムではガン無視。(確かにあれはアルバムがな。。。)全勝してんのはアデルぐらい?エド・シーランなんていまや「あんたいたの?」状態でノミネートすらしないし。基準が本当によく分からない賞なので正当な評価はされたらラッキーくらいに思っておいた方がいいかもです。
ただ今回グラミーは初めてBTSとがっつり仕事してると思うんで、彼らのスキルの高さや仕事ぶりに驚いたかもですね。来年はもっと高い評価もあるかもしれないです。そうだといいですね!
そして、私が今年のグラミーで一番驚きかつ最高に素晴らしい内容だと思ったベストパフォーマンスは、、、
Lil Baby 「The Bigger Pictures」
これは公式動画ありました。
私はラッパーに疎いせいで、リルベイビーって全然ノーマークだったんですが、これを観終わった後は
「このパフォはグラミーの歴史に残ると言ってもいいんじゃないか」
それくらい私にはグッときました。
まず、BLMがどういうことなのかをこれほどまでにしっかりと分かりやすくパフォーマンス化したものは観たことなかったんです。
写真を並べるだけでどういう内容だったかは一目瞭然ですよね。
リルベイビーについては私はこちらの紹介が一番分かりやすかったです。
アトランタ出身だったんですね。確かにドレイクと共演してるイメージがありました。
彼のラップが凄かったです。なんていうか、大げさに声を大きくあげたりしないんですけど、真っ直ぐカメラを見て言葉を紡ぐような。
客演には女性活動家のタミカ・マロリーが短い演説を挟み、
ここは私には先日バイデン大統領の就任式で自らの詩を朗読したアマンダ・ゴーマンをも彷彿させました。
ラッパーじゃなく活動家、声にも凄く力があっていいチョイスだったと思います。
そして、もう一人がRun The Jewelsのkiller mike!
私は彼のことはラッパーとして知る前にBLMの運動でアトランタが暴動起きてしまった時に市長と共に記者会見で暴動を起こさず家へ帰り、安全な運動を呼びかけていた人として記憶にあって。
2020年にリリースされたRun The Jewelsのアルバム「RTJ4」は、今回の運動のきっかけとなったジョージ・フロイド事件が起きる前にレコーディングされているはずですが、まさにこの事件の本質である差別について表現されたアルバムとして絶賛されていました。
やはり共演するに一番よい人選だったんだと思います。
キラーマイクはネットフリックスに「キラーマイクの際どいニュース」という自分の番組を配信していると知ったので後にぜひ観たいと思います。
リルベイビーは初めてのグラミーでのパフォーマンスだったはず。舞台セットで自分だけでパフォしアピールする事もできたはずですが、そうではなくBLMとは何か、戦いは続いている事を示すパフォーマンスを選択したわけです。
観た瞬間も圧倒されましたが、この人選、パフォーマンスは知れば知るほど、学べば学ぶほどグッときてしまう。
私はこの動画を将来息子に観せたいなと思いました。
子供に「BLMとは何か」と伝えたい時、実際の映像は強烈すぎて見せるのに躊躇う人もいると思います。暴力がリアルに行われているものなので。
このパフォーマンスの映像は限りなくリアルながらきちんと人に見せるためのものとして抑制が効いています。かつ分かりやすい。
グラミーという世界中で放送される番組でこのパフォーマンスをした勇気とスキルを持ったリルベイビー。今までリルもベイビーもつくラッパーがいっぱいいて区別がつかなかったけど、今回しっかりと認識できました。
「the bigger picture」の歌詞訳が公式にありました。
「It's bigger than black and white
It's a problem with the whole way of life」
「白と黒の問題じゃない、生き方の問題だ」
ここが一番きますね。
このパフォーマンスのリリースを決めたグラミーの総合プロデューサーのベンにも感謝です。
というわけで長々書きましたが、今年心に残ったグラミーのベストパフォーマンスについてでした!
おまけ
あんた達、楽しみすぎ(笑)