星で愛した人
人工知能のような
その人の目に涙が溢れ出た時、
星が自ら破滅のスイッチを押した。
そこはとても寒い星だったけど、
凍てつくような冷たい世界を
一瞬で包み込んだ火の中で、
ふたりにはもう
生きる時間が残されていなかった。
何をどうやって誓い合ったのか‥
時を経て辿る記憶は
花火が燃え散る音で埋め尽くされている。
だがその彼方に かすかに
人を想う心の音(ね)に似た
この世でいちばん悲しい雨音のように
その人は泣いていた。
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