音楽から読み解く世界情勢 [2022.04.26]
どこか緊迫感を高めながら世界中が一進一退する2022年、春。
地球はどこに向かって加速しているのか、それとも失速しているのか‥。数年前のシリアに続いて、再び瓦礫の国が増えて行く。
音楽は全てを物語る。
毎週末に世界中から配信されるあらゆるジャンルの新譜を追っていると、誰もが不安を抱えながらその場でフリーズしかけているように見える。
相変わらず今週も単曲での新譜が多く、次いでミニアルバム・スタイルの新譜が続いて行く。Lofiの新譜のクオリティーが先週よりも若干落ちているのが気になりつつ、その一方でやはりダブ・ステップの新譜が先週より増えているように感じる。
私がコレクションしているメインのプレイリストには、ダブ・ステップのようなある種、戦争の音声を意識させるような音楽をあえてリストインしていない。音楽はあくまで心の癒しの役割を果たすべきであり、尚且つ私は音楽の中に「祈り」の有無を強く求めたいと願っている。だからダブ・ステップやDeep House系の音楽をコレクションしない方向で、PLを作成している。
今シーズンのメインのPLは此方。
今週の更新は、M-45 "About Love" - The Soultrend Orchestra · Papik · Alan Scaffardi から。
各ジャンル、各アーティスト等の新譜からアルバムを辿り、実際に紹介されているアルバムリードの楽曲とは異なる別の楽曲をPLにコレクションする事も度ある。
先週末、一人Sufiの大物が過去アルバムのリマスター版をサブスクから再配信していたので、それをここにご紹介しておきたい。
Omar Faruk Tekbilek のアルバム『Sound of the Sultans (Remaster)』である。
アルバムタイトルに『Remaster』と書かれてあるが、最初のリリースは私の記憶だと10年近くは過去の遡るだろう。だが正確な最初のリリース年月日がいくら調べても見つからないので、明言は避けておく。
Sufiについて、又、Omar Faruk Tekbilek氏についての記載はあらためて、別記事で触れることにしよう。本記事は私が編集しているPL(プレイリスト)についてと、ここ数週間の世界から配信される音楽の傾向と世界情勢との関係性について、内容を集約したいので。
もう一人、イタリアはカンツォーネ歌手、ロッサナ・カサーレの新譜『Trialogo』も良い。この作品はアルバム全体を通して聴く方が、印象が良いかもしれない。
このアルバムの中でも、特にオススメ作品を挙げるとしたらアルバム・タイトルの『Trialogo』だ。
歌手、ロッサナ・カサーレとの出会いは当時渋谷にあった大型CDショップ「HMV」の試聴コーナーだった。アルバムタイトルは「Lo Stato Naturale」。ジャケ写が何とも色っぽく、仕事の合間にその写真を見てしまった後暫く私は、現実の世界から意識が遠退いてしまったことを今でも忘れない。
度々私が書いている「メインのプレイリスト」の他に、ジャンル別に仕分けしている専用のPL(プレイリスト)が複数あり、特に今年の3月以降は若干コレクションのジャンル分けのスタイルを変えている。
リズム主体で主メロが曖昧なチルアウト系やLofi系の新譜は、メインのPLではなくBGM用のPL『⛪️New Chillout Times 2022' ②』の方にコレクションする用、仕分けを変更している。
とは言え音楽のカテゴライズとはとても難しく、又各楽曲が単一のジャンルに仕分け出来ない場合も多々ある為随所に例外は発生するが、全体が一つのまとまったラジオ・ステーションとして成立するよう、毎週のコレクションにはこれでも苦労しているのが現状だ。
勿論リスナーとは何の関係もない話しと言ってしまえば身も蓋も無いが、自身が音楽家・作曲家でありながらこれ程までに他のアーティストの作品を大量に紹介している音楽家も珍しいだろう(笑)。
そうこうしながら先週は、私自身の次のアルバムに収録したい新曲のモチーフを幾つも五線紙にメモしており、そろそろ手の負傷と向き合いながら鍵盤練習の復帰を狙って行きたい気持ちも山々だが、兎に角無理は出来ない。
プライベートの大きな変化も続いている為、身体以上にメンタルのコンディションを度々大きく崩している事にも注意を払いながら、少しスローペースで音楽と関わって行くことが今はベターだ。
さて、この記事の最後を飾るのは、最近私が注目している韓国のオルタナティブ・ジャズ系のサックス奏者 & 作曲者のKim Okiのアルバム『Greeting』から『Moonlight』ともう一曲、韓国はパンソリ歌手のLee Hee MoonとKim Okiが共演しているPV『어랑브루지』の2作品で締めくくりたい。