プルデンシャルでキツかったこと
以前に「社会人の生い立ち」というものを書きました。
僕は2016年10月から2018年6月までプルデンシャル生命に在籍をしていました。
当時25歳だった僕は、甘い部分だけを夢見て転職をしましたが、
想像を逸する世界が全然目に見えていませんでした。
キツイこと99%、嬉しいこと1%、
感覚的にはそんな感じの世界です。
生命保険会社の人が言う「キツイ」というのが何のことなのか、
なんとなく想像はつく方が多いと思います。
キツかったこと
①友達に「保険の話を聞いてほしい」と声をかけること
「保険会社に転職した友人から勧誘を受けた」という話、
または体験をしたことがある人も多いではないでしょうか?
日系の生命保険会社の場合、「職域」といって、
担当する会社が割り振られることがあります。
その会社に行き社員の人に声をかけて
保険の話を聞いてもらうというもの。
昔によくあった「保険のおばさん」が会社によく来るというのは
この職域です。
しかし、プルデンシャル含め外資系生命保険会社の場合は、
職域は自分で開拓をしなければならないことに加え、
会社から「営業リスト」が渡されることはありません。
全て自分で「営業リスト」を作り上げなければいけません。
その営業リストは「自分が声をかけられる人達」なので、
必然的に家族や友人、前職の同僚になるわけです。
初めのころ、友達に「保険の話を聞いてほしい」というのは
かなり抵抗がありました。
余談ですが、声をかけるときは「保険に入ってほしい」ではなく
「保険の話を聞いてほしい」というのです。
そのスタンスの背景としては、
話を聞いて納得して自分で選んで入ってほしい、
というものだからです。
しかし、このスタンスについては理解をされることはなく
「保険に入ってほしい」という勧誘と同意で
とらえられることとなっていました。
②周りに伝染する
友達に声をかけたら、その噂が色んなところへ飛び火します。
直接声をかけていない人からも「保険の勧誘はやめてね」と言われたり、
「転職して大変そうだね」と慰めなのかからかいなのか言われたり。
生命保険の営業マンにとっては「悪い噂」がどんどんと広がっていきました。
相手に悪気はないのだろうけど、
全て悪い風に捉えられているような気がしてしまいました。
③メンタルブロック
人間はそもそも断られるのが怖い生き物です。
以前、こんな記事を書いたのも、
この経験から来るものだと自己分析をしています。
営業の仕事でも、プライベートでも、
断られるのって結構メンタルにきますよね。
なぜなら、嫌われたくないし、
断られたときにメンタルにくるから怖い、
という思いを持っている人は大勢いると思います。
保険の営業もそうでした。
突然友達に「保険の話を聞いてほしい」と声をかけても
断られることはたくさんあります。
待ち合わせ場所に行き、時間になっても現れず、
その後連絡が取れなくなるという苦い経験もしました。
しかし、それは自分が嫌われたのではなく、
保険が嫌いなだけである、という考えに落ち着きました。
というより、そう言い聞かせていました。
もしかしたら多少は自分が嫌われてしまう要素が
あったのかもしれません。
もちろん、その真意は今でも分かりません。
どれだけ凄腕の営業マンが同じように声をかけたとしても
断られていた可能性があると考えると、
その人は「保険が嫌いだった」と考えられるかなと思い、
自分を慰めていました。
このメンタルブロックを超えられるかどうかが、
生命保険の営業マンにとっては重要なファクターです。
④金がキツイ
プルデンシャル生命株式会社に所属する会社員ですが、
交通費や交際費などは一切支給されません。
支給されるのは事業所得のみ。
いわゆる、お給料のみです。
商談場所に行くための交通費、喫茶店で商談をするのであれば
食費等は全て、自分の給料で生計を立てなければいけません。
給与の仕組みは、
預かった保険の種類や金額によってフィーが決定しており、
それが給料に反映されます。
保険を預かったら預かった分だけ給料に反映される青天井の世界です。
中には年間で何千万円、何億近く稼ぐプレーヤーもいます。
しかし、入社してから最初の2年間は「初心者マーク」がつくため、
その2年間に限っては給与が反映されず、積み立てられていくものでした。
たしか30万くらい?のベース給与がありましたが、交
通費や交際費などを捻出すると手元に残る金額はほぼありませんでした。
中には、家族の生計を立てるためにキャッシングをする方もいます。
とにかくお金がキツイ。
⑤マネージャーの存在
ライフプランナー(LP)と言われる営業マンは、
所長(マネージャー)にスカウトを受けます。
入社をしたら所長とマンツーマンで動いていきます。
ロープレの相手をしてもらったり、
商談のフィードバックを測ったり、
進捗について見直しをしたりと、
いわば”相棒”のような存在です。
所長自身が「LPとマネージャーは上司と部下ではなく、対等な立場」と
話していたことを記憶しています。
何か困ったこと、うまくいかないことがあればマネージャーに相談をするというものでしたが、
他の先輩たちもあれやこれやを教えてくれる優しい方々でした。
ある日、他の先輩に教えを乞いに行っていると、
マネージャーに呼び出され、
「なんでおれのところに聞きにこねえんだよ!」と。
・・・やきもち?
そんなことを言われたので、ある日、
「商談を聞いてほしい」とお願いをして、
聞いてもらっていました。
結局その商談で保険をお預かりすることはできませんでした。
その時期丁度スランプにハマっており、
思うようにいっていない悩みを脱出したかったので、
「商談を聞いてほしい」とお願いをしたのです。
商談が終わったあとマネージャーに
「どこが悪かったかフィードバックをお願いします」と話すと
「もう、わかんないや、何がだめでだめじゃないのかわからない」と
半ば投げやりになった解答が返ってきました。
自分で「おれに聞け!」と言っていたのに、
聞いたら聞いたで何も得る解答が返ってこなかったこの時点で
「ついていく人を間違えた」と自分の選択を後悔しました。
もちろん、こうすれば保険を預かれたという明確な正解はありません。
ですが、自分が採用したLPが助けを求めているのに、
その梯子をはずす態度にガッカリしました。
成績が下がっていた当時だったので、
ある程度見切られていたのかなとも考えました。
それはもちろん自分が悪いわけですが。
これをきっかけに、プルデンシャルを退職する決意をしました。
遅かれ早かれ、苦しい時期が続くのであれば、
早めに見切りをつけることが正解だと思い、
退職を決意しました。
在籍した期間はわずかですが、嬉しいの部分を学んだこともたくさんあります。
それはまた別の機会に。
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