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運動指導のテクニック。"内部集中"と"外部集中"の使い分け。

こんにちは。Dice Trainingです。
岩手県でトレーニング指導を生業にしてます。
アメリカ留学中にNSCA CSCSを取得。
留学中のインターンシップも含めると、
トレーニング指導に携わって20年以上になります。

先日、陸上を専門にされている
ある高校の先生の指導を
見学させていたただきました。

”走る”という基本動作。
一見すると、とてもシンプルな動作です。
でも、やはり奥が深いですね。。。。
一言で言うと”細かい”と言うイメージ。
一つ一つのパーツをうまくコントロールするって感じでした。

内部集中と外部集中

今回の見学した指導内容は
”インターナルフォーカス(内部集中)だな”
と思いながら見ていました。

選手の意識としては、
●内部に意識を集中する=インターナルフォーカス
●外部に意識を集中する=エクスターナルフォーカス

があります。

インターナルフォーカスは、
「自分の体の動きを意識している状態」

「もっと足を大きく広げよう」
「腕を大きく振ろう」
「関節はこの順番で動かそう」
など体内にある受容器からの情報を得て
動作をコントロールしていくイメージ。
フィードバック制御みたいなイメージ
と言えるかなと思います。

一方で、エクスターナルフォーカスは、
「自分の体の動きを意識していない状態」

「ターゲットに触る」
「転がってくるボールを蹴る」
など外的要因に意識を持っていき、
必要な動作を作っていくイメージ。
フィードフォワード制御みたいないイメージ
と言えるかなと思います。

 どちらの方が動作習得に向いている?

「意識をどこに向けるとパフォーマンスが上がるか?」
と言うことにおいて、
さまざまなスポーツで先行研究があります。
多くの研究結果は、
「同じ技術を行うとして場合、
 エクスターナルフォーカスの方が
 パフォーマンスが上がる」

となっています。

インターナルフォーカスの場合、
体のことを意識しすぎて、
過剰に神経の緊張や筋肉の収縮が起こることで、
・運動のスムーズさが阻害
・運動の正確さが低下
がパフォーマンスが思うように上がらない要因とされています。

今回、見学させていただいた指導の場合、
先生の指導は、どちらかと言うとインターナルフォーカス。
・荷重の仕方
・股関節の動き
・姿勢保持の仕方
など、理にかなったことばかりで、
僕はとても参考になったんですが、
指導を受けている生徒たちは、
正直、全員が理解はしてなさそう。。。。

理解して、その通りに動けている選手。
理解はしてないけど、正しい動きを作れてしまっている選手
いわゆるセンスがある選手=フィジカルリテラシーの高い選手と、
思うように身体がついてきてない選手に別れてしまっていました。

ここで思ったことが、
”動作の認知・動作の修正の時は、
エクスターナルフォーカスを用いた方が、
動作習得がスムーズに行われるかもしれない。”

ということです。

チューブなどで外的負荷をかけることで、
荷重の仕方や姿勢保持がしやすくなるかもしれません。
マーカーなどをおいてあげた方が、
ステップ幅などが強制され、
股関節が動くようになってくるかもしれません。

課題と環境を変えてあげることで、
動作の認知が上がっていきます。

"集中するポイント"を場面でうまく使い分けることが重要。

初心者が動作を認知する・修正するためには、
エクスターナルフォーカスを活用する方が効率的と考えます。
その動作を知らないわけですから、
環境や課題を変えることで、
感覚受容器の精度を高めてもらう。
そうすることで、正しい動作を認知してもらうわけです。
結果だけにフォーカスして、
方法など細かいことは指示しないって感じですね。
コオーディネーショントレーニングは、
まさにこれに当たるのかなと。

例として、
小学生に跳び箱を教えるときに、
「ここに手をついてね」
と跳び箱の奥側に色をつけたり、
逆上がりを教える時に、
「足がバーを越えるように振り上げるてね」
とわかりやすい目標を与えたり。
これだけでも、結構できる子が増えますよね。

課題や環境をちょっと変えることで、
正しい動作に修正されていく。
そうすることで、感覚受容器が鋭敏になり、
徐々に身体を思い通りに動かせるようになります。

こうなってしまえば、
インターナルフォーカスが活用できる。

上の跳び箱や鉄棒の例で言えば、
・踏切のタイミングと手のつき方
・足の蹴り上げ方と手の引きよせ動作
など、体の内部へ意識を持っていって、
動作が定着・精度が上がっていくと考えます。

まとめ

外部集中(エクスターナルフォーカス)の方が、
パフォーマンスは上がるという結果があります。

動作の認知・修正という点では
疑う余地がないと個人的に思います。

環境を整えて、課題を提示してあげる。
方法は細かく伝えない。

”結果の知識”と言われるものです。
動作のアウトプットにフォーカスして、
学習を促す感じです。

外部集中は経験が少ない初心者には
特に有効ではないでしょうか。

動作が修正を受けることで、
固有受容器などが鋭敏になってくると、
今度は自分自身で動作を制御できるようになってくる。
内部集中(インターナルフォーカス)の活用ができてきます。

ここからは”運動の知識”と言われるものです。
意図や筋肉の動きにフォーカスをしていくことで、
動作が定着していき、精度が上がる。
もしくは、違う環境になった場合でも、
すぐに対応できてしまう。

身体活動で結果を出すためには、
体を効率的に正しく動かすことは必須。
純粋に身体操作が上手さが重要です。

僕は格闘系の動画を見るのが好きなんですが、
トップレベルのファイターや、
達人と言われる武道・武術家の方達の
身体操作の話はこの感じですよね。
より強く、より速い打撃を打つための
関節の使い方の話とか。。。
内部集中の極みだと思います。

新しい動作習得はまずエクスターナルフォーカスで。
動作が修正されてきたら徐々にインターナルフォーカスに。

個人のレベルに合わせて、
課題や環境を変える。
コーチングで需要なポイントです。

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